西友が深沢目黒通り店を4月28日オープン、DIY専門店からスーパーマーケットに転換

2022.04.28

2022.04.21

西友は、DIY(ドゥイットユアセルフ)専門店の深沢店をスーパーマーケット(SM)に業態転換し、「西友深沢目黒通り店」の店名で4月28日に新規オープンした。

西友深沢店は、1981年12月にDIY専門店「西友DAIK深沢店」としてオープン、1989年に「西友深沢店」に店名を変更しつつ、DIY専門店として営業を続けてきた。

今回、SMへの業態転換に向けて昨年12月にDIY専門店としての営業を終了。西友深沢目黒通り店として新規オープンするに至った。売場面積は1406㎡で、旧店の1829㎡から減少しているが、これはバックヤードが増えたため。

目黒通り沿いに面したマンションの 1 階に位置し、周辺は戸建て住宅やマンションが密集している。商圏人口は半径1.5km圏内に10万2940人、5万670世帯とかなり密度の高いエリアだ。

30mほどの至近距離に生鮮食品まで取り扱うSMタイプの紀ノ国屋等々力店がある他、500mの距離にはザ・ガーデン自由が丘の自由が丘店が店を構える。

多様なライフスタイルに応えるため、付加価値の高い商品、健康や簡便などのニーズにも対応できる品揃えに努める。

青果では、生産者が独自に開発したこだわりの土を使用し、収穫後は1粒ずつセンサーで糖度検査、選別を実施するなど生産方法にこだわったフルーツミニトマトの「OSMICトマト」を西友では初めて取り扱う。

「OSMICトマト」。糖度11という甘さをアピールして売り込む

水産では本マグロ、サーモンなどのこだわりの単品刺身の品揃えや「海鮮(各種)のっけ盛り」など利便性の高い生食用のサラダ関連商材を品揃えする他、干物売場に「沼津の干物コーナー」を設けるなど付加価値を訴求。

サラダ風に商品化した「海鮮(各種)のっけ盛り」
「沼津の干物」をコーナー化

また、水産冷凍商品の売場を広げ、シーフードミックス、むきえび、切り身などの簡便商材の品揃えを強化する。

冷凍食品は強化。水産は冷凍食品売場にリーチインでコーナー化している他、水産売場でも平ケースで展開

畜産では単身者が多いエリア特性を受け、温めるだけの簡単調理品「チーズタッカルビ」、味漬肉「豚プルコギ」、レンジ対応商品「レンジで蒸ししゃぶシリーズ」を拡充する他、こちらも冷凍売場を強化。牛、豚、鶏、ひき肉の他、内臓、生串物などの冷凍素材やチキンナゲット、もつ鍋などの冷凍簡便調理品を強化する。

「チーズタッカルビ」「レンジで蒸ししゃぶシリーズ」など簡単調理品を拡充した
牛肉は交雑種の「一期牛」、輸入ではアメリカ産アンガスビーフを売り込む
「切り落とし」を「包丁いらず」をアピールしながら売り込んでいる

惣菜では「かぼちゃ煮」「里芋と真イカの煮物」などの少量サイズの商品を集積し、個食ニーズに対応。

少量サイズの商品を「ちょこっと惣菜」としてコーナー化。プライスラインは100円、128円、158円、198円、200円(全て本体価格、以下同)

また、豆やゴマ、ワカメなど和の食材の頭文字を語呂合わせした「まごわやさしい」の食材を取り入れた弁当、「大葉巻つくねと彩り野菜のお弁当」などヘルシー弁当のコーナー、ピクルスやジュレのコーナーも充実させる。

「まごわやさしい」の食材を取り入れた上に植物性を打ち出した「まごわやさしい豆腐ハンバーグ」
「ヘルシー弁当」をコーナー化

深沢目黒通り店限定の展開として、ネギトロ巻、照焼チキン巻など店内加工の「具材を味わう中巻」も販売する。

デイリー食品でも肉ジャガなど電子レンジで加熱するタイプの冷惣菜や主菜と副菜がワンプレートに盛り付けられた冷凍ミールキットなどの簡便商品を強化する他、こちらでも内食需要増加に合わせ、冷凍食品を拡充。従来の扉付き冷凍食品什器に加え、カバー付きの平ケース什器を配置し、冷凍食品売場を拡大し、同時に省エネにも配慮している。

デイリーの冷凍食品は売場を同規模店と比べ1.4倍に拡大
デイリーの冷蔵の商品は和洋日配共に多くの商品が扉付きで展開されている
洋日配も扉付きがメインだが、牛乳など大量に売れるものには扉がないなど、商品特性に合わせた工夫がみられる

また、健康を意識し、大豆ミート、糖質オフ、低カロリー、プロテインなどを材料とした豆腐、惣菜などのヘルシーフードのコーナー化も図る。

大豆タンパクを使用した植物性ミートを精肉でも品揃え

加工食品でも大豆ミートを中心に植物由来商品をコーナー展開する他、麻婆豆腐やもつ煮込みなど、電子レンジで簡単に調理できる簡便商品の品揃えを強化。

また、リゾットやニョッキなど輸入食品、輸入スナック菓子やチョコレートの品揃えも充実させる。

その他、順次地域の味の導入も進めていく。

青果では地場野菜コーナーを設置し、都内近郊園地で古くから栽培されている「東京野菜」を取り扱う。代表的な東京菜(小松菜)をはじめ、シントリ菜、東京ウドなどを品揃えする。

畜産では東京生まれの豚「TOKYO X」の品揃えを強化。

惣菜では、長野エリアを皮切りにローカルで人気の惣菜を定期的に品揃えする取り組みを実施。長野で人気の「明治亭」のソースを使った「ソースかつ丼」や「信州上田名物!美味だれチキン」を店内で調理し、提供するなど各地の味の紹介する取り組みも実施する。

これについては期間限定で、今後、他地域の商品なども手掛けていく予定だ。

「明治亭」のソースを使った「ソースかつ丼」

強化中のプライベートブランドの「みなさまのお墨付き」商品についても充実を図る。ギルトフリーを中心とした糖質オフや食物繊維などの栄養素を含んだ菓子類を集積する。

「みなさまのお墨付き」は6月まで価格を据え置くことをアピールして売り込む

買物環境面では、昼食夕食需要に対応するため、入口近くに惣菜、ベーカリーコーナーを設置することでショートタイムショッピングに対応する他、セミセルフレジを3台、スグレジ(セルフレジ)を9台設置するなどレジ待ち時間を短縮する。なお、有人レジ 1台となる。

インストアベーカリーも導入し、惣菜と連動させショートタイムショッピングに対応。ピザは500円の他、298円の小型の商品も展開
協業する楽天のブランドを冠した冷凍野菜をコーナー化
「楽天エディ」のチャージ機も設置。カードやポイントでの協業が開始しているが、それ以外にも随所に楽天との取り組みがみられる

西友深沢目黒通り店概要

所在地/東京都世田谷区深沢1-8-1

オープン日/2022年4月28日

営業時間/9時~22時45分

売場面積/1406㎡

駐車台数/57 台(地上15台、地下42台)

駐輪場/110台

店長/大角泰寛

お役立ち資料データ

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