生鮮市場TOPセキチュー上尾店が9月25日オープン、生鮮市場TOP!でのドミナント形成で精肉、鮮魚の圧倒的支持目指す

2024.11.25

マミーマートは9月25日、生鮮市場TOPセキチュー上尾店をオープンした。「生鮮市場TOP!」フォーマットとして27店目、マミーマート全社では78店目となる。売場面積は650坪。

生鮮市場TOP!は、「食の専門店」「いつでも新鮮があるところ」をコンセプトとして掲げ、特に生鮮を強化。強みである精肉、鮮魚の吸引力を生かし、一般客に加え、料理好きや業務用のお客もターゲットとした大商圏型のフォーマットとして確立を目指してきた。

セキチュー上尾店も近隣のJR上尾駅や埼玉新都市交通羽貫駅の乗降客を含む近隣住民に加え、圏央道桶川加納ICからのアクセスも良好なことから車客を中心に広域からの集客が見込める。

今期2店目の出店となるが、基本的な売場づくりは3年ぶりの新規出店として8月10日にオープンしたコーナン京葉船橋インター店(千葉県船橋市)と共通している。

ホームセンターとの共同出店である点も同様だが、コーナン京葉船橋インター店が同一建物の2階への出店だったのに対し、セキチュー上尾店は別棟の1階ということで、フリースタンディングに近い。

共にホームセンターとのコンビネーションであるが、これはフォーマット自体が広域狙いということもあって商圏的にも比較的広域集客で週末型、車客が主力のホームセンターとの相乗効果が高いとみているためだ。

コーナン京葉船橋インター店は旗艦店の位置づけで、既存店での改装などで試行錯誤を繰り返した結果としての、同フォーマットのモデルとなるような店だった。共通性の高い店の短期間での連続出店ということ自体が、生鮮市場TOP!フォーマットの一定の完成を見たことを示している。

生鮮市場TOP!では特に精肉売場を強化し、素材の鮮度強化の他、時短調理に適した「味付け肉シリーズ」で「地域一番の種類の展開」を目指すが、今回のセキチュー上尾店はさらに競合与件も踏まえ政策的に精肉売場を同社最大とした。

売場面積が650坪と、コーナン京葉船橋インター店よりも10坪ほど広いこともあって同店と比べても精肉の平ケースを1台増設し、最大パターンとなる6台のパターンとしている。

テーブル, 座る, 食品, ピザ が含まれている画像
自動的に生成された説明
値頃感を訴求する大パックの売り込みが目立つ

「精肉の中でも特にチルドの味付け商品は、牛豚に加え、今回は鶏を強化した。売場面積とアイテム数には自信を持っている。さらに今後も広げるつもり。チルドの味付けだけで24尺、冷凍を含めるとかなりの尺数とアイテム数を持っている」(清水大輔・取締役執行役員TOP!事業部長兼マミーマート事業部長)

屋内, 食品, テーブル, 座る が含まれている画像
自動的に生成された説明
時短調理に対応した味付け商品は特に強化カテゴリー
セキチュー上尾店では鶏の味付け商品を特に強化
味付け商品は冷凍も展開

鮮魚でも漬け魚を強化しているが、これら味付け商品を強化する理由について、清水取締役は次のように話す。

「売上げが伸びていることもあるが、惣菜とは違う意味合いの簡便、即食のカテゴリーをより強化しようと考えた。もともと素材があってこそだが、その上での付加価値はそういうところだろうと」

また、ラムは同社として強化カテゴリーの1つで、8尺でコーナー化した上で、味付けを含めたアイテムの拡大で競合店との差別化を図る。「ディスティネーション(来店目的)」戦略といえる。

店の上にある数種類のドーナツ
低い精度で自動的に生成された説明
約15種類の生ラム肉のラインアップ
ラムの味付け商品もラムコーナーで展開

生鮮市場TOP!は生鮮が強みだが、実際、セキチュー上尾店の部門別売上高構成比の目安としては、最も強化している精肉は加工肉を含め20%を占める。他、鮮魚は13%、青果は18%ということで、生鮮3品で過半の51%を占める。

鮮魚と惣菜は基本的にはこれまでのマーチャンダイジングを踏襲しているが、一部、商品の見栄えや販促物について見直した
刺身盛り合わせは、以前は手がけていなかったが、簡便、即食の文脈でアイテム数を絞った上で展開し、売上げも上がってきている
鮮魚では味付け商品の一環として「ケジャン風」(韓国のカニ料理)の味を含めた「辛い味付け」の商品を6尺などでコーナー化。1年ほど前から既存店で実験を始め、水平展開中。売上げも取れるようになってきている
青果では単品大量の売り込み
業務用需要もターゲットとしているため、ケース売りも多い
台の上にある数種類のパンフレット
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店内カットの大切りのフルーツ商品は名物的な存在だ

一方で、惣菜は6.5%程度と、昨今のスーパーマーケット(SM)としては低めだが、これは生鮮が強いことの裏返しであるといえる。ただ、惣菜についても、そもそも需要が高まっている上、商品開発を積極的に行っていることもあって次第に売上高構成比は高まってきているという。

惣菜部門では「お弁当・お惣菜大賞」などの外部機関が実施する表彰プログラムで受賞した商品に加え、今回は季節の新商品の提供をするなど、特にスイーツコーナーの強化に取り組んだ。

ヤングファミリーの取り込みを図ることを目指し、冷蔵スイーツを「専属パティシェ考案のスイーツコーナー」としてしっかり展開。主通路突き当たりに配置した上で、常温の商品も組み合わせて販売。新商品のわらび餅などを売り込む
惣菜では店内製造のビリヤニなどエスニック系の米飯商品を強化中だが、想定以上に売れているという。「自社工場を持っているので、自社工場でできることは工場に集中させておいて、そこでできた時間をうまく使って少し手間がかかるけれども他社にない付加価値のある商品を店内で作る。そこのバランスを取っていく」(清水取締役)
店のカウンターの上にある料理
中程度の精度で自動的に生成された説明
インストアベーカリーはなく、惣菜でピザ系の商品のみを展開

また、同社の場合、寿司は鮮魚が展開することも惣菜の売上高構成比が低めであることにつながっているといえる。京葉船橋インター店から「巻き寿司」を強化し、売上げも想定以上に取れるようになっているという。鮮魚の中の売上高構成比で平均20%ほどにまで高まっている。

落書きされた店の看板の文字
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酢飯を減らし、ネタの比重を高めることで満足感を高めた「ほぼ具」の太巻き

セキチュー上尾店の場合、足元の商圏人口が比較的少ないこともあって、初年度年商予定は33億円と、同45億円であったコーナン京葉船橋インター店と比べるとかなり控え目。

もちろん、認知度の向上などに伴って、年数が経つごとにじわじわと売上げを伸ばしていくことになるだろうが、一方で広域集客の繁盛店モデルではあっても、立地によっては慎重な商売を視野に入れる店もあるということだろう。

生鮮市場TOP!は生鮮強化フォーマットのため、主通路内側の加工食品は商品を絞り込んでいるが、菓子についてはカテゴリーによってコーナー化などをしながら品揃えを強化。

中高生やその上の若年層をターゲットに、マシュマロやグミ、ラスクといったカテゴリーについて売場を拡大。一部、以前は散らばっていた商品についても集めた上でご当地系など商品のバラエティを広げ、縦割りでコーナー化したり、エンド展開をしたりするなど存在感をアピールする売場づくりとした。こちらはコーナン京葉船橋インター店で検証中だが、今回も踏襲された。

セキチュー上尾店の場合、足元商圏には古くからの一戸建てが多いが、少し離れた伊奈町では新築の一戸建てやマンションの建設が進み、ヤングファミリー層が増加中ということもあって、そうした層にアピールすることも狙いだという。

日配、グロサリーは基本的にエブリデーロープライスで、主力の約120アイテムに関しては定期的に価格合わせも行っている。ローコストオペレーションを志向するため、冷蔵ケース内でもケース陳列を実施している。

店のショーウィンドウ
中程度の精度で自動的に生成された説明
冷凍食品は第3主通路の最終コーナーで展開

セキチュー上尾店の全体のアイテム数は同フォーマット標準の約1万。同規模のSMと比べると少ない印象を受けるが、生鮮主力の単品大量の売場づくりや非食品を取り扱っていないことがこの水準につながっているといえる。

「このエリアを5km圏で見ると、ちょうどセキチュー上尾店を真ん中に(生鮮市場TOP!が)数店舗(4店)ある。どの店も精肉と鮮魚が強いが、今回、さらに大きなドミナントになった」(清水取締役)

屋内, 座る, テーブル, 覆い が含まれている画像
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今後は「新店の比重が高まる」と語る清水大輔・取締役執行役員TOP!事業部長兼マミーマート事業部長。既存店で試行錯誤を繰り返し、フォーマットを構築してきた

商圏内にはロピアといった同じく生鮮、特に精肉に強みを持つ競合の出店もあるが、生鮮の強さで正面から対じする意向だ。

約3年半ぶりに新規出店を再開した同社だが、今期は改装もそれなりに実施しながらも、新店の比重が高まる。フォーマットがある程度定まったことで、ドミナント固めも進んでいくだろう。

生鮮市場TOPセキチュー上尾店

所在地/埼玉県上尾市須ケ谷1-240

営業時間/9時~21時

駐車台数/634台

売場面積/650坪

年商予定/33億円(初年度)

お役立ち資料データ

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