イオン天王町ショッピングセンターが今秋オープン、イオンリテールの最新フォーマットとOMOを結集した旗艦店

2022.04.12

2022.04.08

イオンリテールは今年秋、横浜市保土ケ谷区にイオン天王町ショッピングセンターを出店すると発表した。

同ショッピングセンター(SC)は核店のイオンスタイル天王町と約50の専門店で構成。イオンスタイルは、「リアルとデジタルの最新フォーマット」を結集する他、SCとしても「体験型ライフスタイル店舗の旗艦店」となるという。

今回のSCの前身は1977年にオープンした「ニチイ天王町店ショッピングデパート」。92年に「天王町サティ」、2011年には「イオン」に屋号を変え約43年間営業してきた。同SCは20年2月9日に一時閉店、今回、「デジタル技術を活用し、新しい生活様式に対応した店舗として」跡地にオープンする形となる。

立地する横浜市保土ケ谷区は、横浜市内18区中6番目に人口密度が高く、最寄り駅の相鉄本線の星川駅と天王町駅は、横浜駅まで約5分と横浜都心に近い人気の居住エリア。

3km圏内には約18万6000世帯、約35万人が居住。20歳~50歳代の構成が高い上、1km圏内に小学校が10校あるなど足元には若いファミリー層が多い。さらに隣接地では開発道路の新設や大型マンションの建設を一体開発として進めていることもあって、今後も転入が見込まれる有望なエリアだという。

国道16号線側の外観イメージ。自然光を取り込む明るいサッシュ面(窓の部分)をポイントに、キューブ型のデザインを組み合わせ、地域に溶け込みながらモダンなイメージを加えたとしている。国道16号線に面する正面入口側には、外から店内を見渡せる大きな窓を配置している他、南東側にはオープンエアのカフェスペースを配置し、開放的な空間を演出

地場産品や移動販売など、長年支持を得てきた地域の期待を受け継ぎつつ、近隣に多いZ世代(90年代半ば〜2010年代生まれ)やミレニアル世代(80年代~90年代生まれ)、ビジネスパーソンなど、あらゆる世代に対応する拠点「地域の皆さまとさまざまな生活シーンで活躍する世代がつながる、新たなコミュニティ」を目指す。

旧店から行っていた保土ケ谷区や警察署といった地域行政や商店街とのイベント、地場野菜の販売や地域団体との取り組み、移動販売などを引き続き実施する予定。

また、リアルとデジタルを融合し、国内外の新たなトレンドをさまざまなチャネルで発信、提供するなど、地場産品から全国の名産品、世界各国のトレンド商品まで「ヘルス&ウエルネス」や「環境」「持続可能」といった最新のキーワードに対応した食品や衣料、化粧品などを店舗でもネットでもシームレスに情報発信、購入することができる状態を目指す。商品は売場はもちろん、ネットスーパーやEコマースなど、リアルとデジタルの垣根なく注文でき、店舗でも自宅でも受け取ることができるようにする。

健康や持続可能な社会への関心が高まる中、世界の食品専門店「カフェランテ」やアジアンコスメコーナーの他「着る、疲労回復」ウエアの「セリアント」、植物由来の食品「トップバリュ ベジティブ」コーナーも展開。

また、「イオン持続可能な調達方針」に基づいて漁業、養殖のグローバル認証商品であるMSC認証、ASC認証や農業の「グローバルGAP」認証商品を品揃えする他、「地球との調和を大切にして作られた長く着続けられる服」をコンセプトにオーガニックコットンや再生素材を使用する環境や健康をテーマとした独自開発の衣料を取りそろえる。

その他、国内の小売業では同社が唯一の取り扱いとなる容器使用の循環型プラットフォーム「Loop」の取扱商品を拡大して展開する。

さらに非接触の決済や受け取り、AI(人工知能)の活用などデジタル技術を活用したさまざまなサービスを展開。お客自身のスマートフォン、もしくは専用のスマートフォンで商品のバーコードをスキャンし会計する「レジゴー」やAIを活用した最適な商品提案や接客、サービス、また、デジタル技術を従業員の効率的な働き方にもつなげることで、さらなる顧客満足の実現を目指す。

また、最大約1000品目で多様な食のスタイルに対応する地域最大級の冷凍食品コーナーや「ウエルネスのワンストップ」を追求したイオンのウエルネス売場「スポージアム」とスポーツクラブ「3FIT」が融合した新パターン、未病ケアや疾病予防をサポートするクリニックなども出店、デジタル技術の活用や新しい生活様式に対応した商品、サービス、専門店を結集したとしている。

「フード&ウエルネス」の売場は1階に設置。地域最大級の食品フロアと「イオンリカー」やレストラン、カフェ、美と健康、日用品を提供する「グラムビューティーク」など、食と生活必需品がワンストップでそろうフロアを構成する。

2階は「ライフスタイル&カルチャー」関連のフロアとする。家族との快適な「おうち時間」をサポートする「ホームコーディ」をはじめとする普段使いの「ちょっとしたおしゃれ」を提案するライフスタイルファッションゾーンと学ぶ、楽しむ場を提案する「カルチャー」関連を集積。

3階は「キッズ&ファミリー&スポーツ」関連。地域一番のキッズゾーンとフードコートを備えた大規模なファミリーゾーン、カジュアルファッション、ライフスタイルスポーツゾーンなどを形成し、働く子育て世代の日常から非日常までを支える。

同社が展開するフォーマット「イオンスタイル」は、地域に合わせてさまざまな組み合わせ、形態での展開としているが、今回は比較的小商圏をターゲットとするネイバーフッド型SC、もしくは中商圏のコミュニティ型SC的な展開といえる。

最新のマーチャンダイジングとデジタル技術を最大限生かした旗艦店として、足元のシェアをしっかりと押さえることが重要になる。

長年営業してきた強みも生かしながら、最新のマーチャンダイジングとサービスに生まれ変わった店、SCとして地域に溶け込む存在になることが求められるだろう。

イオン天王町ショッピングセンター概要

核店舗/イオンスタイル天王町

所在地/神奈川県横浜市保土ケ谷区川辺町3

開業日/2022年秋(予定)

建物構造/鉄骨造地上3階て、地下1階建て(屋上、地下駐車場)

駐車台数/約500台(屋上約230台、地下約270台)

駐輪台数/約300台

専門店数/約50店舗

敷地面積/約1万7000㎡

延べ床面積/約4万5000㎡

店舗面積/約1万6500㎡

SC商圏/約18万6000世帯、約35万人(3km圏)

お役立ち資料データ

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