トライアルが物販と飲食を掛け合わせた新フォーマット「グロッサリア」を福岡県宮若市にオープン
2022.04.19
トライアルホールディングス傘下のトライアルカンパニーは4月20日、農園レストラン「グロッサリア」をオープンする。
福岡県宮若市との官民連携協定による共同事業の一環としてオープンするもので、トライアル初の「スーパー×グルメレストラン」の新フォーマットの出店となる。

トライアルカンパニーでは「グロッサリア」を「ただ食べるだけでなく新たな食事シーンや食文化の創出につながる場を提供する、スーパーとグルメレストランを掛け合わせたトライアルの新しい複合業態」と定義している。食品を意味する「グロッサリー」と、イタリアの大衆食堂「トラットリア」を組み合わせた造語で、スーパーマーケットとしてのトライアルを「食」を軸に発展させた店舗としている。
店内のフードコートでは宮若産をはじめとする地元九州の食材を生かした地産地消料理を提供し、ミシュラン星付き高級フレンチで働いた今西洋平太シェフや素材にこだわった超人気ベーカリーの元ディレクター山本彩子氏など、経験豊富な料理人が監修する。
また、世界中の高品質カカオを取り扱うチームカカオと提携し、産地にこだわった素材のファインカカオを使用するなど、こだわり抜いた食文化の提供に努めるという。


今西シェフが料理を監修、統括する「ミヤワカキッチン・コハク」では熟成肉料理をはじめ、宮若産米を使った石窯ピザ、宮若産米・地養卵を使ったオムライス、オリジナルパスタ、フレンチなど、世界標準の味を提供する。

山本氏は、オリジナルタルト&チョコドリンクカフェの「Yama Tarto(ヤマ・トルテ)」、および素材にこだわったベーカリーショップ「Pont Pain(ポン・パン)」の総責任者、監修シェフを務める。
ヤマ・トルテでは、タルト生地に宮若産米を使用し、イチゴなどの旬食材でよりおいしさを追求。焼き菓子、ケーキ、本格エスプレッソ、チョコドリンクなど、「グロッサリア」オリジナルのスイーツとドリンクを提供する。

また、ポン・パンは、無添加、無着色、国産小麦粉にこだわった明太バターフランスを名物商品とし、マヨネーズやあんこなども全て手作りで宮若をはじめ、九州の自然食材を生かすなど国内でもめずらしい自然派ベーカリーとなっている。

トライアルは宮若市と官民連携協定を結び、「リテールDXタウン」として街づくりを進めてきた。今回、グロッサリアと併せ、地産地消、産地産直にこだわり、宮若の農産物や地域の魅力を再構築する農業観光振興センター「みやわかの郷」、日本初となるAI(人工知能)カメラを活用した「24時間顔認証決済」や世界初となる生鮮売場カメラと電子棚札が連動する「自動値下げ」を実現する次世代型スマートストアの無人店舗「トライアルGO脇田店」も同時オープンする。
物販と飲食を掛け合わせた業態としては、こちらも造語として「グロサリーストア」と「レストラン」を組み合わせた「グローサラント」と呼ぶ形で広まりを見せていたが、新型コロナウイルスの広まりに伴うイートインコーナーの閉鎖なども影響し、ここのところ一部企業を除いて取り組みとしては目立った動きがなかった。
新型コロナウイルスはいまだに大きな影響を残すが、これまでの極端な内食への集中から「食事の場の提供」の取り組みにも少しずつ復活の動きも出てきそうだ。
また、今回は「料理人の監修」「地産地消」を打ち出している点が大きな特色となっている。物販とのバランス、相乗効果、また、地域とのつながりという意味でも注目の店といえそうだ。
農園レストラン「グロッサリア」概要
所在地/福岡県宮若市脇田355
オープン日/2022年4月20日
営業時間/9時~21時
駐車場/有