東急ストア渋谷サクラステージ店がオープン、アンダー300坪に惣菜強化&生鮮食品含めたSM機能プラス型

2024.07.29

東急ストアは7月25日、渋谷駅直結の商業施設「Shibuya Sakura Stage(渋⾕サクラステージ)」の2階部分に東急ストア渋谷サクラステージ店をオープンした。

渋⾕サクラステージは、7月21日から使用開始となったJR渋谷駅新南改札と直結する形で東急不動産が開発した施設で、商業エリアには7⽉25⽇に物販、飲食の37テナントがオープン、東急ストアもその1店となる。

就業者や若年層の単身者が多いエリアであることから、地域のニーズに合わせる形で朝食や昼食需要に対応した商品を中心に取り扱う。使い切りや食べ切りの少量サイズ、すぐに食べられる即食、レンジアップ商品などを強化している他、「自分へのご褒美」をテーマにしたスイーツや惣菜も品揃えする。

店頭に設置された惣菜などの「デリカコーナー」では、鉄板焼きや弁当、冷惣菜「RICH DELI(リッチデリ)」シリーズの寿司、丼物、サラダ、スイーツなどの店内製造の商品を展開。

店内の鉄板で焼き上げた焼き物など店内製造の惣菜や弁当を品揃え。「穴子ご飯と店内製造の出汁巻き玉子弁当」は店内でふわふわになるように焼いた卵焼きと季節のご飯を組み合わせた
弁当は強化分野で、仕入れの形で「銘店弁当」もコーナー化
温惣菜もしっかり店内製造で展開している
「アジアの食卓」の切り口の商品群もある

リッチデリは低温加工室の設備が必要であることから限定的な展開にとどまっていて、渋谷さくらステージ店は二子玉川ライズ店(東京・世田谷)、武蔵小山駅ビル店(東京・品川)、戸越公園店(同)に続く4店目の展開となった。

リッチデリでは、「ローストビーフのサラダ」「ビビンバ風★ローストポークのベジボウル」「ワンハンドで食べるワッフル(マンゴー)」といった冷菜を店内製造で展開

一方で大規模駅直結の施設で売場面積も264坪と限られているものの、生鮮食品も一定程度、品揃えする。「まな板いらず」をテーマにしたカット野菜やレンジアップ商品やミールキットなどの簡便商品、少量サイズのつまみ商品などを展開する。

青果では簡単、便利な商品としてカット済み野菜やOisixのミールキットを品揃えする他、水産、畜産では、レンジアップ商品や酒のつまみをコーナー化。旬の魚を使用したつまみも展開する他、少量サイズのつまみを副菜としても提案。

オイシックスのミールキットは、「温玉付き!そぼろと野菜のビビンバ」などを展開
青果ではカットフルーツの他、フルーツピクルス、フルーツコンポートなども展開。色鮮やかなフルーツのピクルス、コンポートはプチギフトとしても提案
水産、畜産では「たこと野菜のごま醤油和え」「梅肉で食べるハモの湯引き」「レンジdeガーリックチキン」「銀鮭の醤油昆布蒸し」といった生鮮惣菜をコーナー展開
畜産では生肉のパック商材も一定程度取り扱う。ただし、全てアウトパック
平ケースを用いて、畜産、水産の日替わり商品のプロモーションを実施している。アウトパックだが、よりスーパーマーケットの機能を重視していることが分かる

逆に世界的に知られている文化の発信地「渋谷」ということで、観光客も多く訪れることを生かし、インバウンド需要も視野に土産にもなる渋谷ならではの商品や食べ歩きできる商品も取りそろえる。

観光客の需要を意識したコーナーも展開。「東京」や「富士山」をモチーフにしたコーナー

グロサリーでは、冷蔵の「Kawaii Sweets」シリーズとして、絵本に出てくるようなチーズをイメージした「穴あきチーズケーキ」やおにぎり型シュークリームの「おにぎりDEシュー」、常温売場では「桜丘」をイメージして職人が個包装ごとに筆描きしたオリジナルパッケージのかりんとうなど、「思わず写真を撮りたくなる」デザートや菓子を取りそろえた。

一筆かりんとう塩みつブラウン

また、渋谷初のワイン醸造施設を「超都市型ワイナリー」として訴求し、日本や世界のブドウを使った「ハチ公ラベル」のワインを展開する他、渋谷をイメージしたビールの「渋生」など、渋谷にちなんだ酒を展開。

渋谷ワイナリーのSCRAMBLE CROSS
コエドブルワリー「渋生shibunama」

また、「街に出来立てのチーズを」をコンセプトに、渋谷に店舗を構える「CHEESE STAND」からチーズを調達し、販売。ワインとの関連で訴求する。

CHEESE STANDでは東京セミハードチーズなどを品揃え

店品番別SKUおよび売上高構成比は次のとおり。

品番カテゴリーSKU数売上高構成比
青果 16010.7%
水産 1392.4%
畜産 1064.5%
デリカ温惣菜65 
 米飯103 
 冷惣菜160 
 寿司10 
 33830.3%
グロサリー(チルド)和風198 
 洋風1124 
 1322 
グロサリー(チルド)し好1386 
 加工1781 
 3167 
 グロサリー計448950.7%
実用品生活200 
 衣料9 
 2091.4%
 総計5441100.0%
売場奥は、少し区切られたような形状になっていることから冷凍食品を平ケースとリーチインケースでコーナー化している。業務用のコーナーもある
話題性という意味では「韓国菓子」などもコーナー展開している

東急ストアでは、渋谷サクラステージに隣接した施設である渋谷ストリームに2018年9月、生鮮食品を取り扱わない対面販売の惣菜強化型、店内飲食強化型のグローサラント(スーパーマーケットとレストランの融合を示す造語)機能を強化したプレッセデリマーケットをオープンしたが、現在では閉店している。東急ストアに限らず、この間、新型コロナウイルスによる影響も大きく受ける形で、グローサラント的な店は激減した。

今回、東急ストアとして隣接した施設に約5倍の規模で再び出店することになったが、サクラステージ店では生鮮食品も取り扱う上、惣菜については店内製造を強化しているものの、セルフサービスに特化した形となった(ただし、イートインは用意している)。また、商品構成としてもSM機能をひと通りそろえたものとなった。

東急ストア渋谷サクラステージ店概要

所在地/東京都渋谷区桜丘町1-4渋谷サクラステージSHIBUYAサイド2階

オープン日/2024年7月25日

営業時間/平日9時〜22時、土日9時〜21時

売場面積/874㎡(264坪)

店⻑/野本奈緒子

お役立ち資料データ

  • 2024年上半期 注目店スタディ

    2024年上半期も注目新店がたくさん出ました。今回はその中から厳選した6店舗を独自の視点でピックアップしました。今回もいつものとおり、企業戦略、出店背景、商品政策(マーチャンダイジング)までを拾いながら記事にまとめました。豊富な写真と共にご覧いただければ幸いです。 注目企業の最新マーチャンダイジングの他、売場づくり、店舗運営など、いまのスーパーマーケットのトレンドも知ることができる一冊となっています。企業研究、店舗研究、商品研究の他、実際に店舗を訪問するときの参考資料としてご活用いただければ幸いです。 <掲載店舗一覧> ・ライフ/ソコラ所沢店 ・ヤオコー/武蔵浦和店 ・サミットストア/ららテラ…

  • 2023年 下半期 注目店スタディ

    2023年下半期注目のスーパーマーケット7店舗を独自の視点でピックアップし、企業戦略を踏まえた上で、出店の狙い、経緯、個別の商品政策(マーチャンダイジング)まで注目点を網羅。豊富な写真と共に詳しく解説しています。 注目企業における最新のマーチャンダイジングの取り組みや、厳しい経営環境と向き合うスーパーマーケットのトレンドを知ることができ、企業研究、店舗研究、商品研究などにご活用いただけるほか、店舗を訪問するときの参考資料としてもお勧めです。 <掲載店舗一覧> ・オーケー/銀座店 ・ヨークベニマル/仙台上杉店 ・ベイシア/Foods Park 津田沼ビート店 ・ヤオコー/松戸上本郷店 ・カスミ/…

  • 2023年 上半期 注目店スタディ

    2023年上半期注目のスーパーマーケット5店舗を独自の視点でピックアップし、企業戦略を踏まえた上で、出店の狙い、経緯、個別の商品政策(マーチャンダイジング)まで注目点を網羅。豊富な写真と共に詳しく解説しています。 注目企業における最新のマーチャンダイジングの取り組みや、厳しい経営環境と向き合うスーパーマーケットのトレンドを知ることができ、企業研究、店舗研究、商品研究などにご活用いただけるほか、店舗を訪問するときの参考資料としてもお勧めです。 <掲載店舗一覧> ・ ヤオコー/トナリエ宇都宮店 ・ サミットストア/川口青木店 ・ 原信/紫竹山店 ・ ライフセントラルスクエア/ららぽーと門真店 ・ …