スターバックスが子ども連れ客でも気兼ねなく利用できる新フォーマットを9月14日にオープン、子ども向けメニューも開発
2024.09.13
スターバックスコーヒージャパンは、9月14日、埼玉県越谷市のイオン レイクタウンに出店している7店のうちの1店であるスターバックスコーヒー越谷イオンレイクタウンmori3階店を、子ども連れの家族でも気兼ねなく利用できる、「子どもも家族も楽しい」、新しいフォーマットの店舗としてリニューアルオープンする。
9月13日にスターバックスコーヒーイオンレイクタウンmori3階店メディア内覧会を開催し、同店の詳細を報道陣に公開した。
スターバックスコーヒージャパンは、イオン レイクタウン内にはイオンレイクタウンmori3階店の他、テラスを併設し自然を感じられる店舗、仕事や勉強での利用、お買い物帰りにゆったりとティー体験が楽しめる店舗など計7店を展開、その日のシーンや気分に合わせて使い分けてもらえるように多様な選択肢を提案している。
今回、イオンレイクタウンmori3階店を子ども連れでも気兼ねなく、親子や家族でおしゃべりや体験を楽しんでもらえるような「Family Friendly」な店舗となることを目指した。
店内をビバレッジやフードを楽しみながら、さまざまな人がつながるシームレス(境目のない)な席空間が広がることを意図した他、イオンレイクタウンmori3階店で初めて取り扱う「キッズフラペチーノ」や、親子でオリジナルのカスタマイズ体験ができる「コンディメントバー(ソースやシロップを選んで商品に追加できるバー)」を導入する。
昨今、お客のニーズやライフスタイルが多様化していることを踏まえたもの。同社ではこれまでも一部の店舗で、店舗ごとの地域活動「コミュニティコネクション」の一環として、小さな子ども連れでも過ごしやすいよう、バリスタが読み聞かせを行う「ママ・パパのためのCafé Time」やキッズバリスタ体験、職場体験など店舗ごとに子ども連れのお客が参加できる活動に取り組んできた。
特に子ども連れでスターバックスを利用するお客から、「騒がしくしたら周囲に迷惑をかけてしまうかもしれない」「ベビーカーの置き場所に困る」「子どもと一緒に親も満たされる体験がしたい」「レジに並ぶのも大変」といった声があることもあって、今回の新フォーマットの取り組みが始まったという。
もともとイオンレイクタウンmori3階店には子ども連れお客が多く、さらにスペースが取れる店であることから今回のリニューアルの対象となった。今回のイオンレイクタウンmori3階店での展開によって利用ニーズや店舗体験を検証し、今後の水平展開も視野に入れる。
席をシームレスに連結、通路は広く
店内はベビーカーや車椅子でも通りやすいように通路を広くし、席についても高さを抑えた他、ベビーカーをそばに置いたままゆったりと座れるように設計。半円状の中心にあるバーを囲むようにグリーンを基調としたシームレスな席が広がる。座る部分をつながった状態とすることでシームレスになるようにしている。
通路についてもベビーカーや車椅子が通りやすい導線設計とした上、ベビーカーをそばに置いたまま利用できるようにスペースを確保。
また、買物帰りなどで荷物が多く、ベビーカー移動などの負担を少しでも低減するため、席からの「モバイルオーダー&ペイ」(公式モバイルアプリなどから事前に注文、決済するサービス)の利用を推奨するなど、席に座りながらレジに並ぶことなく商品を注文し、受け取ることができるようにしている。
さらに今回、新商品として12歳以下の子ども向けを想定した「キッズフラペチーノ」を3種開発。フレーバーは3種で、クリーミーな味わいとホワイトチョコレート風味のまろやかな甘さを楽しめる「キッズバニラクリームフラペチーノ」、マンゴーやトロピカルフルーツの甘酸っぱさとまろやかでクリーミーな味わいを同時に楽しめる「キッズマンゴー&フルーツフラペチーノ」、チョコレートチップの食感が楽しい、チョコレートをクリーミーに味わえる「キッズチョコレートフラペチーノ」。
店内利用の際は取っ手付きの樹脂製グラスで提供するなど子どもでも取り扱いやすい工夫をしている他、フードを注文した場合を想定した子ども用のカトラリー(フォークとボウル)も用意した。
加えて親子でオリジナルのカスタマイズができる専用の「コンディメントバー」を設置し、味付けなどを調整することで「お気に入りの一杯」を仕上げることができるようにした。子どもに「作る」体験をしてもらおうとの意図からだ。
コンディメントバーでは、ソースやシロップで「お気に入りの一杯」をカスタマイズできる。「キッズビバレッジ」を注文したお客を対象にチョコレートソース、キャラメルソース、キャラメルフレーバーシロップ、バニラフレーバーシロップの4種を使ったカスタマイズが可能。
コンディメントバーでは、専用バスケットをバリスタから受け取り、お勧めをバリスタに聞いたり、親子で相談したり、味を想像しながらお気に入りの一杯を仕上げることができる。専用バスケットの数には限りがあることから、混雑時には順番待ちになる可能性がある。
さらに、「キッズフラペチーノ」や他のビバレッジやフードをモチーフにしたオリジナルの塗り絵も無料で配布。完成した塗り絵をマイスターバックスタンブラーの台紙とすることで、自身の塗り絵の柄のタンブラーになる仕掛けも用意している。
スターバックスコーヒージャパンでは今回のイオンレイクタウンmori3階店での結果を踏まえ、取り組みの水平展開も検討する。日本でのスターバックスの展開は東京・銀座に国内1号店をオープンした1996年から始まり、24年6月末段階ではその店数は1948店にまで増加している。
当然、都心部や商業施設内、あるいは郊外など立地は多様であることから、スターバックスコーヒージャパンとしても、こうした立地ごとのニーズに対する新フォーマットの開発に関しては必要に応じて常時、研究をしているという。
こうした日本での取り組みに関する情報は当然、発祥の地でもある米国にも共有されるが、特に日本の場合、立地の多様性の程度が非常に大きいという。その意味では、店ごとに異なるニーズに対応したフォーマットのパターンが増えることが米国を含めた他国に与える影響には注目したいところだ。
そもそも多様なフォーマットの開発は、「小商圏」に対する多店舗の出店が可能になるという点で、成長戦略上の重要なポイントとなる。
今回のイオンレイクタウンmori3階店が出店するイオン レイクタウンは日本最大級のショッピングセンターではあるものの、1カ所の施設に7店の店が出店できること自体、同社がすでにかなりの小商圏化ができていることの証左ともいえる。
スターバックスコーヒージャパンの新フォーマット、およびそのフォーマット開発の考え方を小商圏化のモデルとして注目したい。
スターバックスコーヒー越谷イオンレイクタウンmori3階店概要
所在地/埼玉県越谷市レイクタウン3-1-1イオンレイクタウンmori
オープン日/2024年9月14日
営業時間/10時~21時
店舗面積/214.38㎡(64.85坪)
席数/73席