いま話題の「プラントベース」とは?国内外の事例を交えて解説

2021.05.21

近年、欧米はもちろん、国内でも「プラントベース」の食材が注目されており、次々と新しいブランドができている。プラントベースとは、植物を由来にした原料を使用した食品や食生活のことだ。

プラントベースフードを提供する企業が増加している。海外の企業ではすでに売上げが伸びており、知名度も高まりつつある。ファストフードのレストランとタイアップしたプラントベースの商品も増えている。

ここではプラントベースが注目される理由と、国内外のプラントベースフードを提供している企業について紹介する。

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プラントベースのメリットや注目される理由とは?

プラントベースが今注目され、多くの人に支持される理由を見ていく。

●環境面に対するメリット

2015年9月に開催された国連サミットで国連加盟国193カ国がSDGsを採択した。SDGsとは「Sustainable Development Goals」の頭文字で、持続可能な開発目標という意味だ。貧困層の存在をなくし、持続可能な世界を実現することによって2030年までに世界をよりよくしていくことを目的とする。

その影響もあって、プラントベースを取り入れることに積極的な人が増えているが、SDGsとプラントベースはどのような関係があるのだと疑問に思う人も多いだろう。

プラントベースは環境に優しく、持続可能な世界を作る。プラントベースが地球に優しい要因の第一はメタンガスの放出が抑えられることだ。家畜、特に牛はゲップをすることで1日に300〜500ℓのメタンガスを放出する。

地球温暖化は二酸化炭素やメタンガスが原因といわれているが、中でもメタンガスは二酸化炭素の25倍の温室効果を持つ。牛1頭が排出するメタンは1台の乗用車が1万km走行した際に排出する量に匹敵する。

またメタンガス以外にも関連がある。

  • 飲み水である水資源の過剰使用
  • 飼料を作るための工場でのエネルギー資源の使用
  • 食肉輸送に必要な冷蔵・冷凍車のエネルギー消費
  • 家畜、特に牛の飼育には広大な土地が必要(同じ土地で大豆などの農作物はもっと多くの人の食料になる)

プラントベースにすることで、メタンガスの放出が低減され、水資源やエネルギー資源の利用を抑えることが可能となる。

●健康面に対するメリット

プラントベースフードが注目されているのは、地球環境に優しいだけではなく健康に良いといわれいることが実は大きな要因と考えられる。

「プラントベースダイエット」という言葉が生まれるほど、ダイエット効果も考えられる。ただカロリーを抑えて痩せるのではなく、腸内環境を整えて代謝をすることでヘルシーに痩せることが可能といわれる。

腸内環境を整えるためには、オリゴ糖や植物繊維を含む植物性食品の摂取がお勧めだ。腸内環境を整えると生活習慣病の予防にも効果が期待できる。

海外でのプラントベース取り組み事例

海外でのプラントベース商品への取り組みは積極的だ。どのような企業が取り組んでいるのかを見ていこう。

●ユニリーバ

ユニリーバは、イギリスを本拠地に創設した日用品や食品に関する400種以上のブランドを世界中で展開しているグローバル企業だ。ユニリーバは18年にオランダの植物性代替肉ブランドThe Vegetarian Butcher(ベジタリアン・ブッチャー)を傘下に入れ、Future Foodsキャンペーンを強化している。

ベジタリアン・ブッチャーはすでに30カ国で展開していたメーカーだが、さらに市場を広げていきたい意向だ。

●ビヨンドミート

Beyond meat(ビヨンドミート)は、09年にカリフォルニアに創設されたプラントベースの「食肉を超えた」フェイクミートを提供する企業だ。すでに11万2000店以上のレストラン、ホテルなどで販売されている。マクドナルドとも提携し「McPlant(マックプラント)」のパティを共同開発したことでも注目を浴びた。

19年と20年の年度ごとの純利益を比較すると2020年は36.6 %も増加している。これからも需要が伸びることが予想される。

●v2food

v2foodはオーストラリアのプラントベースの代替肉メーカーだ。オーストラリア国立科学機関(CSIRO)との共同研究により本物の食肉にそっくりの代替肉に挑戦している。

ハングリージャックスやバーガーキングといったファストフード店で提供されている。

国内のプラントベース取り組み事例

近年は日本でも多くの企業がプラントベース商品を発表している。日本の企業が提供するプラントベースの食品は、商品が多様なことが特徴だ。

●ナチュラルローソン

ナチュラルローソンはコンビニのローソンが首都圏を中心に展開する健康志向のコンビニだ。ナチュラルローソンでは多様なプラントベースの商品を展開している。

大豆と玄米を原料にしたZEN MEATを使ったボロネーゼ、キーマカレー、ストロガノフなどプラントベースの食材を中心に扱っている。

●ZEN icecream

ZEN icecreamはプラントベースの素材だけで作ったアイスクリーム。添加物不使用で体にやさしく、乳製品を使用しないヴィーガンアイスで、どのような宗教の人とも一緒に楽しめる。和三盆で優しい甘みをつけ、日本人の好みにもマッチしている。

●国内代替肉メーカー

大豆を利用した代用肉も増加中だ。有名な大手の食品メーカーはもちろん、ベンチャー企業も奮闘中。

マルコメ

味噌を作るマルコメが「ヘルシーを、もっと美味しく」をコンセプトに大豆を使用した「ダイズラボ・シリーズ」を展開している。ガパオライスやチャプチェ、麻婆豆腐、ボロネーゼなどを代用肉を使って気軽にヘルシーに家庭で作るためのシリーズだ。

大塚食品

大塚食品は、18年11月より「ZEROMEAT」(ゼロミート)というブランド名でハンバーグやソーセージを販売している。イオン東北のスーパーマーケット「マックスバリュ」で、ゼロミートを使用した弁当を販売するなど、市場を広げている。

日本ハム

日本ハムは、食肉ではなく大豆を主原料にした「ナチュミート」を提供している。ハムタイプ、ソーセージタイプ、ナゲットタイプなど、これからもバリエーションが増えていくだろう。またインテグリカルチャーと提携して培養肉の研究もしている。培養肉とは食肉の細胞を培養することで、作られる肉のことだ。

ネクストミーツ

「地球を終わらせない」というキャッチコピーで焼肉用や牛丼など日本人が好むメニューの商品を開発。日本での普及だけではなく、ベトナムと台湾でも生産を開始し、世界に展開していく。

その他、埼玉県のグリーンカルチャー、東京のインテグリカルチャなど次々とスタートアップしている。

おわりに

プラントベースが注目されるのは、環境への配慮と消費者の健康志向だろう。海外でも国内でも次々と新しいブランドが生まれている。

海外では次の3企業を紹介した。いずれも代替肉を提供している。

  • ユニリーバ
  • ビヨンドミート
  • v2food

日本国内ではナチュラルローソンやZEN icecreamのような肉ではない食品を提供しているメーカーも多い。一方で代替肉のメーカーも増えつつある。

  • マルコメ/ダイズラボシリーズ
  • 大塚食品/ZEROMEAT
  • 日本ハム/ナチュミート
  • ネクストミーツ

紹介した企業以外にもプラントベース事業にたくさん参入してきている。これからの成長が期待される領域である。

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