イオンリテールの「ブラックフライデーセール」は10日間の長期開催とオンライン強化、オンラインは前年比300%超に
2022.04.12
2020.11.20
イオンリテールは、「ブラックフライデー」の本セールを20日(金曜日)から開始する。開催店は本州・四国の「イオン」「イオンスタイル」フォーマット約400店。加えて、グループ会社でも、会社ごとにさまざまな企画を実施する。
「ブラックフライデー」はもともと北米で伝統的に行われているイベントで、11月第4木曜日の祝日である「感謝祭」(今年は27日)翌日の金曜日に実施されている。北米では年間で最も高い売上げを挙げる日ともされ、「黒字になる金曜日」という意味で「ブラック」としているという解釈もある。
日本でも数年前から「ブラックフライデー」と銘打った販促が始まったが、イオンリテールでは16年から始め、今回で5回目の実施となる。
新型コロナウイルス感染症の拡大で多くの産業が影響を受ける中、年末に向けて消費を温め、産地を応援し「日本がもっと元気になる」企画を提案する。本格的な冬を迎える時期に必要なアイテムなどをそろえられる企画、あるいは今年、増加した「おうち時間」をより快適に過ごせる商品の提案などを実施。
食品では、生産者応援企画として「おうちレストラン」をテーマに上質な食材を展開し、外食になかなか行けない中での自宅調理による楽しみを提案する。イオンリテールでは3月から外出・外食の自粛などの影響で需要の低下した産地の商品を積極的に販売。
ブラックフライデーセールでは、クリスマスや年末年始のごちそうの「顔見せ」として、自宅がレストランに思えるような質の高い商品を販売する。
感染症対策として長期開催とオンライン強化
今回、新型コロナウイルスが猛威を振るう中、イオンリテールとしては感染症対策の意味も込めて、大きく2つの方針を打ち出した。1つは「長期開催」。昨年が5日間の開催だったのに対し、今年は10日間の長期化を図ることで、集客の平準化を図っている。
また、その中での個別の打ち出しについても、それぞれ従前より長期化させているという。「いままでのように午前中だけとか、ある1日だけといったことをやめて、少なくとも2日間提供するとか、期間を通して提供するといった形で、集客策とは違った形で、しっかり数量を用意して安心してお買物をしていただけるような工夫を、特に今回のブラックフライデーではしている」(戸部勝義・イオンリテール営業企画本部長)
2つ目は「オンラインの強化」で、これも「密」を作らないことを目的としている。20日から10日間の本セールに先立って、11月6日(金曜日)から「ご予約販売会」「EC(電子商取引)セール」をオンラインと店頭で実施。
ネット販売は昨年も実施していたが、今年は目標を前年比200%としたところ、14日で終了したにもかかわらず前年比300%超の注文があるなど、大きな反響があった。
戸部本部長は、「今年は感染症防止にも配慮して長い期間で進めていくことにした」と今回の2つの方針の背景を説明する。
商品面でも今年は例年と違って新型コロナウイルスの影響が色濃く出ている。たとえば、食品においては特に休業が相次いだ外食などへの出荷が滞ったという状況がある中、生産者と組む形で鹿児島県の養殖のブリ、愛媛県のマダイ、黒毛和牛などを全店ベースで品揃え。
お客自体も外出しづらい状況が続くと考えられるため、「自宅で調理して楽しむ」ことを提案しながら、生産者と協力して価格面も値打ちで提供できるようにした。
「養殖の魚や黒毛和牛は、保持していると育ってしまうことから出荷の適齢期がある。だから生産者を応援する意味合いと、高品質なものを提供することで、ご自宅で料理を楽しんでいただけるのではないかと思っている」(戸部本部長)
他、外出の機会が減る中、自宅での時間を楽しめるような調理家電や器具、寝具などを提供。
全体の品目数は約780品目で、食品はそのうちの約300品目。価格については2割引き~最大半額にし、値打ち感を出しながらブラックフライデーを楽しんでもらうことを狙う。
売価については、特に衣料品については昨年は「半額」を大きく打ち出していたが、分かりづらいという反省の下、多くを500円、1000円、3000円(本体価格、以下同)などと「価格の分かりやすさ」に配慮した売価設定としている。
一方、恒例になっていて認知度も高い紳士服の一部では「半額」も残すなどしている。その他、「黒」の語呂合わせで96の数字を用いているものなどユニークなものもある。
また、店舗運営においては、リアル店舗の企画であるため、新型コロナウイルス対策としてお客にも従業員にも「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」に基づいた対策を採る。