電子マネー「iD」とは?利用メリットや使い方、使える店舗と併せて紹介
2022.09.06

「iDでお願いします」とレジで支払いをしている人を見たことがあるだろうか。「iD」は全国で150万か所以上で使用できる電子マネーだ。レジで端末にかざすだけで、クレジットカード・プリペイドカード・デビットカードとして利用ができる。カードだけでなく、iPhoneやAndroidスマートフォンでも利用できるので、スマホ一つで買い物ができてしまう。
本記事では、「iD」とはそもそもどのような電子マネーか、クレジットカードとの違い、iDを利用する消費者と店舗側のメリット、iDの使い方や使えるお店などを紹介していく。「iD」が気になっている方や、電子マネーを利用したいと考えている方は、お持ちのカードや決済サービスにiDの機能が搭載しているかを確認しながらぜひ参考にしてほしい。
目次
電子マネー「iD」とは?

「iD」とは?
「iD」とは、三井住友カードとNTTドコモが提携して発行、運営をしている電子マネーのこと。ポスペイ(後払い)、プリペイド、デビットに対応している。レジでスマートフォン、もしくは対応カードを端末にかざすだけで買い物ができるのが特徴だ。
「iD」が使えるのは、iD搭載のクレジットカード、デビットカード、プリペイドカードと、設定を行ったiPhone、Apple WatchのApple Pay、AndroidスマートフォンのGoogle Pay、おサイフケータイだ。
「iD」の支払い方法
iDの支払い方法は大きく分けて3種類ある。
■ポストペイ(クレジットカード)
ポストペイは後払いの仕組みのこと。クレジットカードの代金とまとめて請求される。iDに対応しているクレジットカード会社は70社以上ある。
■プリペイド
事前にチャージした分がiDで使用できるプリペイド型。使いすぎず、安心して利用できる。
■デビット
口座と連携することで、残高からすぐに引き落とされるデビット型。リアルタイムで引き落とされる安心感がある。
「iD搭載のクレジットカード」とクレジットカードを利用するときの違いとは?
支払いのタイミングがクレジットカードと同じなら、クレジットカードでわざわざiDを使わなくてもいいのではないかと思うかもしれない。
しかし、iDでは一定額以下であればサインや暗証番号の入力が不要。端末にタッチするだけでいいので、クレジットカードでの支払いを行うよりもはるかに時間がかからない。クレジットカードの支払いのタイミングに合わせながら、お会計時の時間短縮ができる。
電子マネー「iD」の消費者側のメリット

まずはiDを使用する消費者側のメリットを見ていこう。
■使用できる決済サービスが豊富
iDはクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、QR決済とさまざまな決済サービスで使用可能。普段から使用している決済サービスにiDが搭載されていれば、すぐに店頭で利用ができる。
■レジでの支払い時間が短縮する
カードで支払いをする場合、通常、カードを読み込ませてから暗証番号を入力、認証後に支払いが完了する。QR決済もQRコードをスマートフォンで読み込ませてから支払いをする。
だが、iDでは端末にカードやスマートフォンを「ピッ」とタッチするだけだ。QRコードを読み込む時間も、暗証番号を入力・認証している時間も省略される。
■荷物が減る
スマートフォン、もしくはカード1枚で支払いができるので、現金を入れた財布を持ち運ぶ必要もない。
■ポイントを貯めやすい
少額での支払いなどクレジットカードが使用しにくいと感じる場面でも、気軽にiDで支払いができる。結果的にポイントも貯めやすくなる。
■非接触
現金やカードの受け渡しが不要となり、カードやスマートフォンを「かざす」だけで支払いが可能となるため、不必要な接触を減らすことができる。新型コロナウィルスが蔓延する昨今、ありがたいメリットといえる。
電子マネー「iD」の事業者・店舗側の導入メリット
次に「iD」を取り入れる事業者側、店舗側のメリットを見ていこう。
■レジのやり取りがスピーディーに
クレジットカードの暗証番号の入力やサインを求めること、QRコードを読み込んでもらう必要がなくなる。端末にかざしてもらうだけなので、レジでのやり取りがスピーディーになり、レジの待ち列の短縮や、スタッフのオペレーションの軽減につながる。
■広がる電子決済に対応できる
iDを導入することにより他店との差別化に繋がる。経済産業省ではキャッシュレス決済の比率を2025年までに4割程度、将来的に世界最高水準の80%まで上昇させることを目指していることから今後も電子決済がさらに広がるだろう。
■決済手段が増え、集客に繋がる可能性
新たな決済手段が増えることで、新しいお客さんの来店に繋がる可能性がある。
電子マネー「iD」の使用準備・対応サービス
iDをこれから発行して使えるようにしたい方向けに準備の仕方を解説していく。
お持ちのカード、スマートフォンでiDが使用できるかを確認したい方は、「iDが使える決済サービス」まで飛んでほしい。
使用するデバイスと支払い方法を決める
iDを使うには、まずどの決済サービスを利用するかを決める。使用したいデバイスと支払い方法を何にするか、から決めていくのが良いだろう。
カードで利用したいのか、iPhone、Androidスマートフォンで利用したいのかによっても使える決済サービスは変わる。また、支払い方法は、クレジットカード(ポストペイ)の支払いとまとめたいのか、プリペイド式の事前チャージで利用したいのか、口座引き落としにしたのかによってもサービスが変わる。
iDが使える決済サービス
使用したい端末と、支払い方法が選べたら、具体的にどの決済サービスに登録するか決める。iD対応のカード、iPhone、Androidスマートフォンで使える決済サービスは以下の通りだ。申し込みに関しては、それぞれのサービス上で行う必要がある。
iD対応カード
■クレジットカード(ポストペイ)
イオン銀行/dカード(NTTドコモ)/オリエントコーポレーション/クレディセゾン/ユーシーカード/JFRカード(大丸松坂屋カード)/大和ハウスフィナンシャル/ペルソナ/ポケットカード/三井住友カード/SMBCファイナンスサービス/ゆうちょ銀行/ライフカード/VJAグループ
■プリペイド
ソフトバンクカード/チケットレストランタッチ/d CARDプリペイド/Tマネー/はまPay/メルペイ/LINE Pay
■デビット
SMBCデビット/GLOBAL PASS®/住信SBIネット銀行
iPhoneで使えるiD対応決済サービス
■クレジットカード(ポストペイ)
イオン銀行/dカード(NTTドコモ)/JFRカード(大丸松坂屋カード)/ペルソナ/ポケットカード/三井住友カード/SMBCファイナンスサービス/ゆうちょ銀行/ライフカード/VJAグループ
■プリペイド
ソフトバンクカード/Tマネー/はまPay/メルペイ/LINE Pay
Androidスマートフォンで使えるiD対応決済サービス
《Google Pay》
■クレジットカード(ポストペイ)
三井住友カード/ライフカード
■プリペイドカード
LINE Pay
■デビット
SMBCデビット
《iDアプリ(おサイフケータイ)》
■クレジットカード(ポストペイ)
イオン銀行/dカード(NTTドコモ)/オリエントコーポレーション/クレディセゾン/ユーシーカード/ポケットカード/三井住友カード/SMBCファイナンスサービス/ゆうちょ銀行/ライフカード/VJAグループ
■プリペイド
ソフトバンクカード/はまPay/メルペイ
電子マネー「iD」の使い方
店頭での使い方
店頭では、まずお会計時に「iDで支払います」と伝える。
■iD搭載カードの場合
iD搭載カードをレジの端末にかざすだけで利用できる。
カードの表面、もしくは裏面に「iD」のロゴが書いてあるものはiDが搭載されている。
■スマートフォンの場合
iD対応のサービスに登録後、iPhoneなら「Wallet」、Androidスマートフォンは「iDアプリ」か「Google Pay」で情報を読み取り、進めていくことでお持ちのスマートフォンでiDの利用ができるようになる。店頭ではカードの場合と同様に端末にかざすだけ。

iDを使用する上での注意事項
■一回払いのみ
iD搭載クレジットカードを利用する場合、一回払いのみの支払いとなる。2回払いやリボ払いなどはできないので注意が必要だ。
■一定額以上は暗証番号が必要
一定額以上の買い物をする場合は、暗証番号を入力することで安全性が高くなる仕組みだ。
支払の上限額は店舗で決まっている場合がある。
電子マネー「iD」が使える店

「iD」を使用できるお店の目印は、「iD」のロゴだ。2022年1月時点で、全国150万か所以上のお店で利用ができる。ジャンル別に分けて、一部のお店を紹介しよう。
《コンビニエンスストア》
セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、スリーエイト、セイコーマート、デイリーヤマザキ、ポプラ、生活彩家 等
《スーパー》
イオン、イトーヨーカドー(中国・四国・九州を除く)、まいばすけっと、マックスバリュ、やまや、エール、フードセンター 等
《百貨店・ショッピングモール》
イオンモール、ビブレ、髙島屋、ピアゴ、アピタ 等
《レストラン・グルメ・居酒屋》
ジョナサン、ガスト、デニーズ、かっぱ寿司(一部店舗不可)、牛角、回転寿司 海鮮三崎港(一部店舗不可)、はま寿司、とんまつ浜勝、安楽亭、魚民、三代目鳥メロ、和民 等
《ファストフード・カフェ》
ケンタッキーフライドチキン、すき家、マクドナルド、吉野家(一部店舗不可)、CoCo壱番屋(一部店舗不可)、エクセルシオール(一部店舗不可)、ドトールコーヒーショップ(一部店舗不可)、エ・プロント 等
《ドラッグストア》
ツルハドラッグ、マツモトキヨシ(一部店舗不可)、トモズ、ウエルシア薬局(一部店舗不可)等
《家電量販店》
ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ノジマ、ケーズデンキ 等
《レジャー》
富士急ハイランド、横浜・八景島シーパラダイス、スパリゾートハワイアンズ 等
上記はごく一部にすぎない。この他にも、野球場や、ホテル、空港、ガソリンスタンド、タクシーなどさまざまな場所でiDの利用ができる。
支払いが簡単な「iD」の利用を
レジで端末にかざすだけでクレジット、プリペイド、デビットの支払いができる「iD」は非常に便利な電子マネーだ。レジでの時間短縮や決済手段が増えるなど店舗側にもメリットは大きい。お持ちのクレジットカードにiDが搭載されている場合もあるかもしれない。まだ利用したことのない方は、全国にiDを使えるお店が多いので、使用してみてはいかがだろうか。また、店舗の方は導入を検討してみては。