イトーヨーカ堂がイトーヨーカドーたまプラーザ店の2階を改装し、「新しい生活様式店舗」として9月25日にオープンする。同店は1979年オープンで、今年で42年目を迎える。
昨年8月には特に非食品の直営売場適正化の流れの中で3階にビックカメラをテナントとして導入し、非食品売場を2階のワンフロア約800坪の売場として集約。商圏や面積の関係から住居用品と肌着などに絞り込んだ売場としていた。
2018年1月15日付の機構改革で従来の衣料事業部と住居事業部を統合し、「ライフスタイル事業部」を発足させている。「イトーヨーカ堂の食品以外、衣料品や住居関連を扱う部門」(梅津尚宏・執行役員ライフスタイル事業部長)として、ワンフロア型のたまプラーザ店の2階売場も構築されていた。
今回、新型コロナウイルスの影響もあって、「お客さまの買物の仕方が大きく変化している」(梅津部長)と判断し、再度リニューアルに踏み切った形だ。当初、2フロアをワンフロア化して、子どもと肌着と婦人の品揃えに特化したが、他の商品についてもお客からの要望が多く、今回、一部紳士や住居関連なども復活させた形で、新たな切り口での実験をすることになった。
昨今の衛生意識や環境問題への関心・意識の高まりなど「新しい生活様式に対応したフロア」をテーマに売場構築。売場構築のポイントは3点。1点目は「ウィズコロナの中、安心・安全でどうコロナから自分を守るのか」(梅津部長)という観点から、マスクや抗ウイルスのくくりで売場を編集。
2点目は、外出自粛による在宅時間の増加の観点。内食化の増加による調理家電、調理器具の好調を受けての調理関連の商品と、家の中でのフィットネスや快適に過ごすため商品の売場を充実させた。
3点目は、コロナ禍の意識変化を調査した結果、明らかになった「地球環境への意識の高まり」。もともと以前からの計画として、今年のグループのプライベートブランドのセブンプレミアムライフスタイルは環境に配慮した商品を強化する動きがあったこともあり、今回、セブンプレミアムを商品構成としても強化した。
売場面積縮小の中でもワンストップの強みを追求
梅津部長は、イトーヨーカ堂のライフスタイル事業の方針として「売場を縮小して適正化しながらも、お客さまが求める品揃えを確保していく」という。「イトーヨーカ堂では『ワンストッププレース』と呼んでいる」(梅津部長)というが、これまではイトーヨーカ堂で食品を買って、他の店に行くなど2カ所、3カ所回っていた買物行動も、できるだけ外出を控えるといった意識の高まりから集約される傾向にある中、あらためて「ワンストップショッピングの強み」を磨くことも意識している。
実際、従来は百貨店などの専門店で買われていたとみられる化粧品が、百貨店が閉まっていたこともあってイトーヨーカ堂で売れ出すなど、もともと持っていた強みが発揮される場面でも出てきているという。新型コロナウイルスの影響で、お客の買物の仕方や売れる店の立地が大きく変わっている。
こうした「変化への対応」として、イトーヨーカ堂のライフスタイル事業が出した答えが今回の売場ということになる。今後の水平展開については未定で、あくまで今回のたまプラーザ店の推移を見ながら判断していくとしている。
イトーヨーカドーたまプラーザ店概要
所在地/神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-6-1
2階のリニューアルオープン/2020年9月25日
営業時間/10時~22時
2階の売場面積/約800坪
2階のアイテム数/約3万