デロイトトーマツが消費者意識、購買行動の調査結果を発表、必需品の消費金額増が浮き彫りの一方で20代は消費意欲維持傾向も
2025.07.30
デロイトトーマツグループは消費者の価値観・マインド、購買行動の決定要因などを調査した2025年度「国内消費者意識・購買行動調査」を公開した。25年4月に全国20歳~79歳の男女5000人を対象にウェブアンケートを実施し、回答結果を分析した。
食料品など生活必需品の相次ぐ値上げなど物価の上昇の影響で、コロナ禍の終息によって拡大傾向にあった消費に減速感がもたらされ、節約志向が前年度よりも高まっていることが示されたとする。一方で、世代別では20代が消費意欲を維持しているなど、世代間の特徴が表れた。

商品カテゴリーごとに、1年前と比べた消費金額の変化についての設問では、生活必需品で増加傾向が続いている。特に食料品は「消費金額が増えた/大幅に増えた」と答えた人が全体の24.6%(23年度18.0%、24年度20.9%)と顕著で、その理由として67.4%が「物価高」を挙げた。必要に迫られて金額が増えたことがうかがえるとしている。
半面、必需品ではないカテゴリーでも節約する志向の高まりがみられ、外食の「消費金額が増えた/大幅に増えた」が12.9%と前年度から2.2%ポイント減った一方で、「消費金額が減った/大幅に減った」は29.9%(前年度比2.7%ポイント増)だった。また旅行の「消費金額が増えた/大幅に増えた」は12.5%(同2.1%ポイント減)の一方で、「消費金額が減った/大幅に減った」は28.8%(同1.9%ポイント増)だった。
生活必需品で「消費金額が増えた/大幅に増えた」と答えた人にその理由を聞いた設問では、食料品以外でも日用品について61.9%が「物価高」を挙げており、生活必需品の支出が増えたため、外食や旅行といった外向き消費を節約しているといった購買行動につながっていることが推察されるとしている。

「今後消費を増やしたいもの」という設問では、20代を除く全世代で「増やしたいものはない」が4割以上と最多を占めた他、前年度からも増加しているなど、消費意欲の冷え込みが示唆された。
一方で、20代に関しては唯一、「増やしたいものはない」の割合が減って33.9%になり、消費意欲は維持されていることが示された。「増やしたいもの」としては、12.9%の人が「推し活」を挙げているのが特徴である他、「国内旅行」や「食料品」に増やしたいと答えた割合も増えているなど、他の世代と明確な違いがみられた。
すべての世代で「消費を増やしたい」と答えた割合が減ったのは、前年度に上位だった「貯蓄/投資」。特に30代は22.0%、40代は22.4%と、共に7~9%ポイント減少しており、先行き不透明な将来に備える意向よりも、目の前の生活費や支出を優先せざるを得ない状況が浮き彫りとなっている。

商品を実店舗で購入するか、インターネットを使うか(EC、電子商取引)についての設問では、ECの利用割合は長期的に若年層や世帯年収が高い層を中心に拡大傾向にあることが示された。
20~30代では、生鮮や加工食品など食料品で約2割、衣料品で約4割が店舗との併用を含めECを利用すると回答している他、22年度調査よりも割合が高まっている。また、特に食料品においては世帯年収が高いほど、併用を含めたEC利用率が上がる傾向が続いている(世帯年収400万円以下は9.5%の一方で、同1000万円以上は14.4%)。
また、今年度調査では配送サービス利用時に重視する要素についての質問も追加。宅配便やECなどの配送サービスを利用する際に重視している項目ついては、57.5%が「配送料」を挙げ、年代が上がるほど高い割合になった。「配送料」以外では、若年層ほど「支払い方法」の利便性を重視する人が多く、年代が上がるほど「受け取り時間の選択肢」を求める傾向が高いことが示された。
配送料に関する質問では、「送料無料でないと購入しない」と回答した割合が生活必需品(食料品・飲料・日用品)や衣料品で約50%を占めた。一方、「送料無料になる下限額があるなら購入しても構わない」と回答した人も約3割、「数百円程度なら許容する」と答えた人も約2割に上るなど、一定の送料や条件を許容する傾向もみられた。

サステナビリティに関しては、認知度自体は向上している一方、「興味・関心がある」と回答した層は全体の約38%にとどまり、22年度比で3.6%ポイント減少した。
商品購入時に「サステナビリティを考慮する」と答えた割合は約30%で、化粧品や衣料品では若年層を中心に増加傾向がみられる。一方で「サステナビリティを考えて商品を選ばない」層の理由としては、すべての商品カテゴリーで「価格が高い」という割合が年々増加傾向にあり、「興味がない」といった理由よりも、価格が障壁となっていることが特徴といえる。
価格許容に関しては、「少しでも価格が高ければ購入しない」と回答した割合は食料品で約58%、衣料品で約57%に上り、前年度よりも増えた一方で、これまで本調査でサステナビリティへの意識が高かった60~70代女性でも「少しでも高ければ購入しない」と回答した割合が約50%に達しており、前年度比で価格許容度が低下している傾向がみられた。昨今の物価高を背景に、消費者が価格に対してより敏感になっていることがうかがえるとしている。
調査概要
調査日/2025年4月
調査方法/インターネットを利用したパネル調査(47都道府県)※総務省統計局2025年4月発行の人口データを元にウエイトバック値を反映
※詳細な調査結果はデロイトトーマツグループ発表の2025年度「国内消費者意識・購買行動調査」









