楽天、パナソニックHD、西友が自動配送ロボットによる配送サービスをつくば市内で提供開始
2022.05.26
楽天、パナソニックHD、西友の3社は、自動配送ロボット(UGV、Unmanned Ground Vehicle)の公道走行による配送サービスの提供を茨城県つくば市内において5月28日から開始する。7月30日までの毎週土曜日の計10日間、つくば駅周辺の約1000世帯(つくば市吾妻1丁目から4丁目および竹園1丁目から3丁目までの一部)を対象に「西友つくば竹園店」で取り扱う商品を注文から最短30分で配送する。配送の対象地域は直線距離では店から最長約850mの範囲となる。

スーパーマーケット(SM)の商品をUGVの公道走行によって注文から最短30分で配送するオンデマンド配送の実現は国内で初となるという。
対象地域の住民が、楽天が開発したUGVやドローンによる配送サービス専用のスマホ向けの注文サイトで商品の注文し、注文から最短30分または指定した配達時間帯にUGVで商品を届けるのが一連のサービスの流れとなる。

西友つくば竹園店で取り扱う商品のうち、生鮮食品、冷蔵・冷凍商品、弁当・惣菜を含む飲食料品や日用品など2000点以上の商品が注文可能で、手数料は税込みで110円。
配送中は専用サイトでUGVの位置情報や到着予定時刻を確認できる他、到着時には自動音声の電話やSMS(ショートメッセージサービス)による通知で知らせる。

UGVは、パナソニックHDが開発した自動配送ロボット「X-Area Robo(クロスエリアロボ)「を使用し、つくば市から約60 km離れた「Panasonic Laboratory Tokyo」(東京都中央区銀座)から遠隔管制システム「X-Area Remote(クロスエリアリモート)」を用いた遠隔監視、操作のもと自動走行する。UGVの走行中は保安要員1人が現地で配送を監視する。

配送は1日8便まで。配達時間帯を指定する場合の配送枠は11時から18時までの1時間ごとの計8枠となる。

なお、店での商品のピックアップ、UGVの保安のための監視はつくば中心市街地のまちづくりを担うつくばまちなかデザインに委託する。また、サービスの内容は変更することがある他、商品によって注文可能な個数に制限がある場合がある。
楽天、パナソニックHDおよび西友の3社は、これまでも国内初のUGVの公道走行によるSMからの商品配送サービスを実現し、2021年3月から4月に神奈川県横須賀市において期間限定で提供した他、楽天とパナソニックHDは、他の6社と共に一般社団法人ロボットデリバリー協会を22年2月に発足させ、UGVが公道を走行するための業界における自主的な安全基準の制定や認証の仕組みづくりに取り組むなど、UGVを活用した商品配送サービスの社会実装に向けて協働している。
また、つくば市は、楽天とパナソニックグループも参画する「つくばスマートシティ協議会」を組成し、ロボティクスとデータを活用した最先端技術とこれに対応する施策を連携させ、誰もが安全、便利で快適に暮らせる持続可能な市民中心のまちを形成するスマートシティの実現に取り組んでいる。
また、22年4月には、「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に指定され、UGVによる配送サービスの実装を含む「つくばスーパーサイエンスシティ構想」の実現を目指している。同構想は、つくば市が大胆な規制改革と共に先端的な技術とサービスを社会実装することで、科学的根拠を持って人々に新たな選択肢を示し、多様な幸せをもたらす大学、国研連携型スーパーシティの実現を目指すもの。