フーコット昭島店が3月15日オープン、2号店にして新店タイプの1080坪
2022.04.12
2022.02.28
ヤオコーが子会社を通じて手掛けるディスカウントフォーマットの「フーコット」2号店、昭島店のオープンが3月15日に予定されている。

出店地となる東京都昭島市もくせいの杜2-6-1は、ターミナル駅のJR立川駅から北西に3km弱、昭和記念公園の西側に立地するなど商圏の広がりが限定されそうな場所にある。広域集客型のディスカウントフォーマットの力が試されそうな立地だ。
周辺にはスーパーマーケット(SM)のエコスの他、総合スーパー(GMS)から転換したイオンリテール運営のディスカウントフォーマットのザ・ビッグ昭島店が北西約1kmのところにある。

さらにその西側にはカインズが店舗を構えるなど、特に比較的広域をターゲットにする低価格フォーマット同士の競合が発生することになり、その意味ではフーコットの実力が試されることになる。
ちなみに、そこからやや先の北西2km強の西武立川駅南側にはヤオコーの西武立川駅前店(昭島市)が店を構える。
公表された売場面積は3572㎡(1080坪)で、1号店の飯能店(埼玉県飯能市)の804坪の約1.3倍とやや大型。
エイヴイは2月にエイビイ海老名店をオープン
一方で、フーコットのモデルとなった同様にヤオコー子会社のエイヴイが、同時期となる2月16日に新店のエイビイ海老名店(神奈川県海老名市)を4960㎡(1500坪)の規模でオープンするなどグループのディスカウントフォーマットの出店が続く。
エイビイは中通路のない長い陳列線や大量陳列による補充頻度の削減、あるいは手間のかかる惣菜を基本的に手掛けないといった割り切りによるローコスト運営が実現する低価格を強みとするが、実際に海老名店でもそれに沿った売場が展開されている。
フーコットも陳列や販売方法などは踏襲しつつも、エイビイとの大きな違いは店内製造を含む惣菜を手掛けていることだ。
1号店はショッピングセンター内のSM跡地への居抜き出店だったが、2号店は新店であるため、ある程度フーコットとしての理想の売場づくりができるものとみられる。こだわりの惣菜をはじめ、どのような売場づくりが行われるか注目だ。
一方で、ディスカウントフォーマットのため、当然、生鮮食品についてはアウトパックとなっている。旧施設を活用する形で専用のプロセスセンターも設けているため、現在すでに来期分の1店の出店も発表されるなど、プロセスセンターの稼働の面ではある程度の出店数は確保しておきたいところだろう。
1号店は当初、想定より客数が多い分、買上点数が伸びなかったというが、昨年末の記者会見で川野澄人社長は、「価格の政策等工夫しながら、かつオペレーションも安定してきて欠品等も減ってきたこともあって、広域からお客さまにご来店いただける状況が作れてきた」と語った。
昭島店はやや都市部寄りだが、広域集客のディスカウントにプラスして、店内製造の惣菜という独自のフォーマットがどのような存在感を放つか、ヤオコーの標準フォーマットとのすみ分けといった視点も併せ注目したい。