オーバーストアとは?意味や原因、生じるリスクやデメリットを紹介
2024.05.29

オーバーストアは、ある地域や市場で必要以上に多くの店舗が存在し、需要を超えて供給が過剰になっている状態を指す。この状況が生じると、1つの市場における売上げや利益が分散され、個々の店舗の業績が低下するリスクが高まってしまう。
オーバーストアが発生する原因
企業の拡大戦略がオーバーストアを発生させる原因となり得る。企業が成長を追求し、新規市場への参入や既存市場でのシェア拡大を図るうちに、近隣に類似の店舗が次々と開業されるケースがある。
チェーンストアなど小売企業が、競争の中で出店を重ねていくと必然的に供給過剰につながりやすくなる。
また、市場環境、競争環境の変化も原因となり得る。例えばエリアの人口が減少して市場が縮小したり、景気後退による消費マインドが冷え込んだり、あるいはオンラインショッピングの利用で来店をしなくなったりといった形で、消費者行動が変化した場合もオーバーストアの原因となり得る。
オーバーストアのリスク、デメリット
オーバーストアの状態が発生すると、企業にはさまざまなデメリットやリスクが発生する。
まず、1店舗当たりの売上減少が挙げられる。同じ地域に過剰な数の店舗が存在すると、市場全体の消費者需要が分散され、各店舗の売上げが低下してしまう。また、値引きや割引といった価格競争が激化し各店舗の採算性が悪化し、利益率の低下、長期的な経営リスクが高まる可能性もある。
こういった問題は利益率が低くなりやすい小売業において深刻で、店舗が運営コストを賄えなくなるリスクが高まる。
消費者にとっては、商品やサービスが安く買える可能性が高まるため、メリットもあるが、長期的には、小売業が経営を維持するためにサービスなどの質を低下させることも考えられる。
価格競争によって利益が減少すれば、コスト削減のために従業員の数やトレーニングが削られるケースが考えられるからだ。