イオンモールいわき小名浜にて生成AIと実空間メタバースによるデジタル避難訓練と実証実験を実施
2024.02.06
国立大学法人東北大学災害科学国際研究所、国立大学法人九州大学データ駆動イノベーション推進本部、イオン株式会社、イオンモール株式会社、いわき市は、最新のデジタル技術を活用した津波避難訓練を、2024年3月3日(日)に、イオンモールいわき小名浜とその周辺地域で実施する
今回の避難訓練はデジタル防災技術の実証実験も兼ねており、避難を支援する
スマホアプリと避難所でアドバイスをするAIアバターを実際に体験してもらい、その有効性についての検証も行う。なお、本実証実験はJST未来社会創造事業※の支援を受けて実施するものだ。
■背景
頻発する地震津波災害や気候変動により激甚化する気象災害への減災対策において、AIやメタバース等の最新デジタル技術を活用する防災DXは、より安全で持続可能な社会を実現する上で重要性を増している。その防災へのデジタル技術活用に向けた重要な課題の一つとして、人とデジタル空間の情報のやり取りの円滑化が挙げられる。
この課題について本実証実験では実際に市民の方々に技術を体験して頂き意見を伺うことで有効性の検証を行い、技術の実用化を目指す。
■検証する技術
1.避難を支援するスマホアプリ
実空間に情報を付与する実空間メタバースを、カメラに写った画像から正確にカメラの位置や向きを特定するVisualPositioningSystemにより実現し、スマホアプリとして提供する。
図1:避難を支援する実空間メタバースのスマホアプリ画面
2.避難所をサポートするAIアバター
避難された方や避難所の運営をサポートするため、多くの知識を習得でき、それに基づいた対話が可能なAIアバターを大規模言語モデルによる生成AIにより構築した。
図2:避難所をサポートするAIアバター
■実証実験を兼ねた避難訓練
・日時:2024年3月3日(日)9:00–12:10
・当日の流れ:
1.避難を支援する実空間メタバースを体験しながらイオンモールに徒歩で避難
2.避難後に避難所をサポートするAIアバターをイオンモールで体験
3.当日の避難の振り返り
・場所:イオンモールいわき小名浜とその周辺地域
・参加者:イオンモールいわき小名浜周辺の住民、地元の高等専門学校生等
・参加人数:約70人
・災害想定:太平洋沖で発生した地震による津波
■実証実験における役割分担
東北大:実践的災害科学の知見に基づく新規技術の研究開発
九州大:避難訓練の企画・運営、先端的な情報科学の知見による新規技術の研究開発
イオン:実用化に向けた技術検証、避難訓練の支援
イオンモール:場所の提供、実用化に向けた技術検証、避難訓練の支援
いわき市:実用化に向けた技術検証、避難訓練の支援
■今後
今後、実証で得られた参加者の意見や避難行動データを基に、防災DXを推進し、より安全で安心に暮らせる地域・社会づくりに貢献していく。
※未来社会創造事業は、社会・産業ニーズ(潜在的なニーズを含む)を踏まえ、経済・社会的にインパクトのあるターゲット(出口)を明確に見据えた技術的にチャレンジングな目標を設定し、戦略的創造研究推進事業や科学研究費助成事業等の有望な成果の活用を通じて、実用化が可能かどうか見極められる段階(概念実証:POC)を目指した研究開発を実施する。その研究開発において、斬新なアイデアの取り込み、事業化へのジャンプアップ等を柔軟かつ迅速に実施可能とするような研究開発運営を採用するもの。