リードタイムとは?ビジネスシーンにおける意味や納期との違いなどを解説

2022.06.22

リードタイムとは、物流や製造業界などにおいて、スタートからゴールまでの期間をあらわす言葉である。リードタイムと似た意味を持つ言葉には、納期がある。納期とリードタイムの違いが明確ではない場合には、違いを知っておくことが大切だ。リードタイムの縮小は、収益の増加や顧客サービスの質の向上に直結する。

だが、実施にはメリットだけではなく、デメリットもあることを知っておくことが重要である。この記事では、リードタイムの意味や種類、リードタイムを縮小する施作のメリットとデメリットについて紹介する。

リードタイムとは?意味と定義、種類

物流や製造をはじめ、多くの業界で使われる「リードタイム」は、一般的に、商品が消費者の手元に届くまでの期間を表す言葉である。業種や工程により、リードタイムが指す意味が異なるケースがあるので注意が必要だ。まずは、リードタイムの意味と定義、種類を紹介していきたい。

リードタイムの意味と定義

リードタイムとは、広義には、各工程の開始から終了までに要する時間や日数を指す言葉である。アルファベットでは「lead time」と表記するが、実はリードタイムという表現はもともと英語ではなく、和製英語である。かつてトヨタ自動車の工程管理の際に使われたのが、リードタイムという言葉のはじまりとされている。

リードタイムは、現在では自動車製造業界以外にも広く浸透している。たとえば物流業界の場合、商品の製造開始から消費者の手元に届くまでの期間を、リードタイムとするのが一般的だ。ただしリードタイムは、業種や事業者によって対象となる工程が異なるケースがある。このため、リードタイムという言葉を自社の製造・サービス工程において使用する場合には、あらかじめ社内での認識を統一しておく必要があるだろう。

リードタイムの管理は、製造や物流の工程での管理に欠かせない。リードタイムの意味を理解し、自社のサービスレベルの安定化に活かしたいものである。

リードタイムの種類

リードタイムという言葉は、使用する業者や工程によって異なる。ここでは、「開発」「調達」「生産」「配送」のそれぞれの種類において、リードタイムが持つ意味などを紹介していく。

まず開発工程におけるリードタイムは、新たな商品を開発する企画の発足から、商品として完成するまでの期間を示す。このため、業種によっては、「調達」「生産」の工程も開発のリードタイムに含まれる場合があることを知っておきたい。

続いて調達リードタイムである。調達リードタイムは、製品の製造に使用する材料を外部から調達し、生産する現場である工場などに納入するまでの期間を指す。自社開発の材料を使用するケースでは、調達リードタイムは開発から生産のリードタイムに含まれる場合もある。

次に生産工程におけるリードタイムは、製品の生産の開始から、予定していた数の製品を生産し終わるまでの期間を示す。社内で生産をおこなう場合と、社外に生産を外注する場合で生産リードタイムに違いが出てくるため、生産リードタイムを短縮したい場合には、より効率的なパターンを選択すべきである。

最後に配送工程の管理をおこなう際に使用するのが、配送リードタイムだ。配送リードタイムは、製造後の製品を配送先に届けるまでの期間を示す。ECサイト業であれば、商品の注文から消費者の手元に届くまでにかかる日数を指すのが一般的だ。

リードタイムは納期とは違う?

リードタイムに似た言葉に、「納期」がある。リードタイムと納期は意味が混同されがちだが、実際には使用するシーンや用法が異なる。自社のサービスを展開するうえで、リードタイムと納期の示す意味と違いを知っておくことは、より精緻な管理をすることにつながるだろう。ここではリードタイムと似た意味の言葉の意味と定義に関する解説と、リードタイムとの違いを解説する。ぜひ参考にしてほしい。

納期の意味と定義

リードタイムに似た意味を持つ言葉に、「納期」がある。まず、納期の意味と定義を紹介しよう。

納期とはもともと、金品や品物を納める期限のことを指す言葉である。また、物流業界などでは、納期というと、製品の納入が完了するまでの期間を指す。さらに、現代では納期という言葉は、物流の現場など以外でも幅広く使われることがある。たとえば、「仕事の納期に追われている」などのように、業務における一定のタスクを完了させる締切日という意味でも使用するのだ。また、「銀行への納期」というと、借り受けているお金を銀行に返済する期日のことを指す。

リードタイムや納期に意味が近い言葉には、「タクトタイム」や「サイクルタイム」もある。タクトタイムとは、一定の期間に必要な生産量をクリアするための速度のことだ。また、サイクルタイムは、ある製品などを製造するために必要な1サイクルあたりの時間のことを指す。それぞれの意味を把握し、混同しないように使いたいものである。

リードタイムと納期の違い

続いて、リードタイムと納期の違いについて解説したい。リードタイムとは、工程の開始から終了までの期間を指す言葉である。一方の納期は、工程が完了する期限を指す。つまり、リードタイムを表すには「〇日間」と表記するのに対し、納期の表し方は「〇月〇日」なのだ。

インターネット通販で商品を注文した際に表示される、到着までの日数に関して考えてみよう。リードタイムでの表記の場合、リードタイムが10日間の場合、「注文から10日程度でお届け」となる。注文から10日以内には届く予定だが、期間内のどの日付に届くのかはわからない。しかし、納期での表記の場合には、「〇月〇日にお届け」との表記になり、配送日が明確に確認できる。

企業は顧客に提示した期限までに対応を完了させる必要が出てくる。そのため、製造や配送における納期を守るためには、生産能力や原材料・部品の確保、流通に関して計画的に事業を進める必要があるのだ。顧客との約束期限を遵守することは、自社のサービスレベルを維持するうえで欠かせないポイントである。リードタイムや納期に間に合うように各工程の対応が進められるよう、慎重に計画をおこなうことが重要だ。

リードタイムを縮小すると効果的?デメリットもある?

顧客に対して、製品やサービスを期限通りに納品することは、企業の信頼度を維持するためには欠かせない。一定のサービスレベルを保たなければ、自社の製品やサービスを広く利用してもらうことが難しくなるだろう。

実店舗での商品やサービスの提供だけではなく、近年ではインターネット環境を利用したネットショップでの売買が一般的になってきた。顧客が商品の購入をより手軽に利用できるのがネットショップのメリットだが、製品やサービスを提供する企業側には、リードタイムをいかに短縮するかという課題もつきものだ。同じ製品を提供する複数の企業があると仮定した場合、顧客はより短期間で製品が手元に届くショップを利用する傾向にあるためだ。顧客の手元に製品をいかに早く届けるかは、サービスレベルを維持するために、企業が常に向上を目指して取り組むべき問題なのだ。

だが、リードタイムを縮小することには、企業側にはデメリットもあることを知っておくべきであろう。リードタイムを縮小することによって生じる、メリットとデメリットについて解説する。自社サービスの展開を検討している場合には、しっかりと理解しておこう。

リードタイムを縮小するメリット

一般的に、リードタイムを縮小するメリットが大きいとされている。顧客が商品を購入する際には、いくつかのポイントを確認し、複数の店舗を比較検討したうえで購入を決めるものだ。顧客が確認するポイントには、製品の品質や価格、購入から到着までにかかる期間などがある。顧客は製品の品質だけではなく、サービスレベルに関しても複合的に判断し、購入するかどうかの判断をするものだ。

特に近年あらゆるサービス分野での拡大が著しいネットショップでは、商品がいかに早く手元に届くかが重視される傾向にある。そのため、リードタイム短縮の実現は、企業が自社の製品やサービスに関する顧客満足度を向上させられるメリットもあるのだ。また、リードタイムを短縮することで在庫量を減らせれば、在庫管理に関する費用を削減できる可能性も出てくる。

このように、リードタイムの短縮は、自社の事業成長を求める企業にとって、欠かせない課題だ。リードタイムの短縮を実現するには、企画・製造から流通までの各段階において、それぞれの対応を検討する必要がある。また、リードタイムの短縮を目指すなら、自社内だけで完結した対応だけではなく、他社への外注なども視野に入れて見直しをおこなうべきである。

リードタイムを縮小するデメリット

リードタイムを縮小することは、顧客にとっても企業にとっても、メリットがある。しかし、リードタイムの縮小に踏み切る前には、デメリットの側面に注目することも欠かせない。自社事業の安定的な拡大を、リードタイムの短縮が圧迫することも考えられるためだ。リードタイムの短縮には、ふたつのデメリットが考えられる。

ひとつ目は、品質の維持が難しくなることである。早く納品をすることを優先することで、各工程での品質が低下することが懸念される。いくら早く到着しても、サービスや製品の品質が悪ければ、顧客から支持され続けることは難しいだろう。リードタイムを短縮する場合には、品質を担保した状態で短縮できるリードタイムを検討していくべきなのだ。

ふたつ目のデメリットは、リードタイムを短縮することで何らかのトラブルが発生したときに、欠品などで販売機会を損失する可能性が出てくることである。自然災害やその他の原因により、原料の入荷や製造に遅れが出ることは珍しくない。特に小ロットの生産をしている場合や、在庫量を抑えているケースで、想定外のトラブルが発生した際にリードタイムの短縮がデメリットとして顕在化しやすくなるのだ。

リードタイムの短縮を検討する際に重要なのは、顧客満足度とサービスレベルの維持のバランスである。自社の企業規模に合わせて最適なリードタイムを設定することで、事業の順調な成長を目指したいものだ。

適切なリードタイムでビジネスを成功させよう

リードタイムの設定は、顧客満足度を維持しつつ、事業を順調に拡大していくために欠かせない重要なファクターだ。リードタイムの設定が、自社で展開する事業に与える効果とリスクも把握しつつ、適切なリードタイムを採用することで、ビジネスを成功に導きたい。

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