トランスコスモスとNTT Comが、メタバース上のバーチャル空間における接客の実証実験を開始
2022.09.02

トランスコスモスとNTTコミュニケーションズは、メタバースを活用した新たなコミュニケーションのあり方を創出する取り組みを推進する一環として、企業と顧客の接客における、より心地よいバーチャルコミュニケーションの実現に向け、2022年8月よりメタバース上での「バーチャルコミュニケーションサービス」の実証実験を開始した。
本実験では、店舗に代わるバーチャル接客をフルボディートラッキング(フルボディートラッキングとは現実の全身の動きをVR空間上のアバターなどに同期をさせる技術)のアバターを活用し、よりリアルに近い顧客とのコミュニケーションをメタバース上で提供する。
実証実験の背景
コロナ禍でのライフスタイルの変化による、企業と顧客の接客におけるコミュニケーションの多様化に対応するため、企業においてはオンラインサービスの拡充やコンタクトセンターの強化を進めているという。
さまざまな活動がオンライン化し、スマホサイトやチャットで顧客の利便性が向上する一方、従来のようなリアルに近い接客を求める顧客もおり、このオンライン接客ニーズに応えるためにトランスコスモスでは「バーチャルコミュニケーションサービス」を構築し、オンライン接客を強化しいくという。
なお、リアルに近い形のオンライン接客を実現していくため、リアル店舗と同様に身振り手振りなどのジェスチャーや表情、息遣いが感じられるノンバーバルコミュニケーションが重要であり、本実験では接客を提供していくための、適切な人同士の距離感を検証することも併せて、メタバース上でフルボディートラッキングのアバターを活用した「バーチャルコミュニケーションサービス」の実証実験を開始したとしている。
本実験の概要と検証内容
本実験では、メタバース上にバーチャル店舗を構築し、バーチャルの良さを活かしながらリアル店舗に近い接客をすることで顧客の体験価値向上と購入チャネルとして機能するための検証を実施。
■検証内容例
・リアル店舗同様のバーチャル店舗をメタバース上に構築し、デザイン/機能を評価、検証
・フルボディートラッキングのアバターによるノンバーバルコミュニケーションを用いた接客の提供における、顧客満足度を検証
・接客中のテキスト/動画ファイル共有や・音声認識技術を用いたAIによる応対支援機能による、オペレーターの使いやすさを評価、検証
■各社の役割
トランスコスモス:
・音声認識/感情解析ソリューション「transpeech」の導入・運用
・バーチャルコミュニケーションサービスの運用(メタバース上で接客をするオペレーターの提供含む)
・運用データの収集/分析による、バーチャルコミュニケーションサービスの実用化準備
NTT Com:
・電話・通信機能(OCNなど)の導入・運用
・メタバースサービス NTT XR Coworking※3(空間・アバター)の提供
トランスコスモスは、本実証実験の結果を踏まえ、コミュニケーション領域におけるバーチャルコミュニケーションサービスの実現および展開を強化・サポートし、さらにメタバース上での接客においてはECと連動し、全てバーチャル空間内で完結できる環境を構築し、展示会や企業のイベントでの活用も視野に入れて取り組むとしている。