CRMとは?意味や必要性、SFA・MAとの違い、代表的なCRMツールも紹介

2022.06.24

CRMは、顧客と良好な関係性を築き、継続していくための施策である。CRMツールを導入することで、多くの顧客情報を一括で管理し、関連部署と共有できるようになる。また問い合わせやアンケート機能などは、顧客とのコミュニケーションツールとしても使える。CRMの必要性やメリット、CRMと似ているSFAやMAとの違い、代表的なCRMツールについて詳しく解説する。

CRMとは?

CRMはCustomer Relationship Managementの略で、広い意味では企業と顧客の良好な関係を維持する施策全般、顧客管理を指す。しかしCRMの狭義的な意味では、顧客管理システムやツールを指す場合もある。数多くの顧客の膨大なデータを管理し、顧客のニーズを読み取って良い関係性を築くことは、どの業界でも重要である。

CRMツールを導入することで、顧客情報の管理や分析が効率的に行えるようになる。一人ひとりの顧客に適切なアプローチができ、企業の利益にもつながるのだ。

CRMの必要性

CRMツールが注目される背景は、いくつかある。企業の規模が大きくなればなるほど、顧客の数も増えるため人的な力で顧客情報を管理するのは難しくなる。また、現代のインターネット社会においてトレンドの変化が速くなっている、顧客自身が自分でさまざまな情報を得られるようになったため、ニーズが多様化していることも考えられる。

CRMツールとよく比較されるものに、SFAやMAがある。違いについて解説していく。

CRMとSFAの違い

SFAは、Sales Force Automationの略である。CRMが顧客の情報を管理するツールであるのに対して、SFAはプロジェクトや商談などをスムーズに進めることを目的としたツールだ。

SFAツールは、顧客との取引や商談などの案件を軸に情報管理を行う。今ある案件の進捗状況や、プロジェクトが完了するまでの目安の期間の算出、過去の案件の履歴の確認などができる。

CRMとMAの違い

MAはMarketing Automationの略である。MAツールは、自社の顧客になる可能性なるリード(見込み客)を管理する。リードがさらに自社製品やサービスに関心を抱くよう育成し、商談へとつなげるためのものだ。

リードの状況や行動を管理し、適切なタイミングでメールやテレマーケティングなどさまざまな方法でアプローチをかけて、リードが求めている情報を提供する。MAツールは、リードジェネレーションでリードを発掘し、ナーチャリングでリードを育成する一連のプロセスをサポートするものである。

CRMツールの機能

CRMツールにある主な機能を見ていこう。顧客の名前や住所、メールアドレスなどの個人情報を管理するだけではなく、本来のCRMの意味である顧客との良好な関係を構築するためのさまざまな機能がある。

実際にCRMツールを導入するときには、自社の製品やサービス、また顧客のどのような情報を管理したいか、目指している顧客との関係性などによって必要な機能は変わるだろう。

顧客情報の管理

顧客情報の管理は、CRMの基本的な機能である。顧客の氏名、性別、年齢、住所、電話番号などの基本情報以外にも、自社製品やサービスを購入した日にちや購入金額も管理できる。さらに、ツールによっては商品別の顧客の購買実績を管理できる機能もある。顧客情報を一元化しておけば、情報漏洩のリスクを抑えられるうえ、コスト削減にもつながる。

また、メール配信機能と連動させれば、マーケティングの分析のほかにもリードナーチャリングや販売促進活動にも役立てられる。

問い合わせ管理

顧客からの問い合わせも管理できる。顧客がいつどのような問い合わせをしてきたかを管理すれば、対応漏れや2重返信のミスを防げる。問い合わせ内容を分析することで、顧客をさまざまな属性で分けてニーズを探れる。

また課題も見えてくるので、製品やサービスの改善にもつながるだろう。過去に多かった問い合わせを集計して自社サイトにFAQを設置すれば、似たような問い合わせの件数を減らせるため、業務の効率化にも役立つ。

メール配信

顧客情報をもとに、メールの配信を行える。顧客を年齢や居住エリア、家族構成などさまざまなセグメントに分けて、セグメントごとのメールの配信を行う。送ったメールを顧客が開封したかどうかも管理できるので、メール配信の時間帯やタイトル、メールの内容、分量などを検討し改善が必要か判断できる。

メール配信は、2回目以降の購入に使えるクーポンや誕生月に割引コードを記載したメールを配信するなど、顧客へのプロモーション活動にも使える。

アンケート実施

顧客にアンケートを実施することで、顧客の持つ課題や希望が把握できる。アンケート結果を集計し分析すれば、自社製品やサービスの品質向上の参考になる。またアンケート結果をもとに顧客情報から販売促進活動を行うターゲッティングリストを作成できる。

アンケートフォームは簡単に作れるので、顧客が購入した製品やサービスごとに実施したり定期的に行ったりして、顧客のダイレクトな声を集めるといいだろう。

セミナーやイベントの実施

セミナーやイベントを行う際の業務をCRMツールで管理できる。申し込みフォームの作成や、来場者のリスト作成、メールでの受講票の配信など、セミナーやイベント開催で必要な業務を効率よく進められる。セミナーやイベントの内容も、アンケート結果を分析して検討できるだろう。顧客の求めている情報やサービスを的確に提供できる。

セミナーやイベントの案内を出すリストは、顧客の過去の購入履歴や行動履歴などをもとに自動抽出してくれるCRMツールもあり便利だ。

CRMツールを導入するメリット

CRMツールを導入すると、自社の業務を効率的に行えるようになり利益につながるだけではなく、顧客のニーズも把握できるため、顧客が自社製品やサービスを購入する満足度も上がる。さまざまなメリットがあるので、1つずつ見ていこう。

営業活動の生産性向上

CRMツールを使えば、顧客に関する情報を一元管理できる。既存の顧客だけではなく、リードや商談中の見込み客、成約に至らなかった顧客の情報や結果までのプロセスを記録できる。これらの顧客情報を必要に応じて、さまざまな属性やセグメントで仕分けして分析できる。

顧客情報を分析することで、メールマーケティングやテレマーケティングの成功率や営業の訪問件数がわかり、営業の手法の強みや課題が見つかるだろう。改善策を考え業務に反映させれば、生産性の向上につながる。

チーム連携の強化

CRMツールを導入すれば、マーケティング部や営業部の各部署で持っている顧客情報を一元管理して共有できるようになる。顧客から問い合わせがあった場合、過去にも問い合わせが来ていないかすぐに確認でき、適切な対応ができる。また、休眠している顧客を掘り起こしアプローチをかけたり、フォローができていなかったリードに接触したりすることもできるだろう。

営業部による商談の進捗状況もわかるため、CRMツールの情報を共有し、各部で連携して無駄のない営業活動が行える。

単純作業の効率化

CRMツールで管理する情報は、常にリアルタイムで関係部署の社員に共有される。そのため、各部署の担当者による二重入力はなくなる。人の手によってアナログで管理されていた顧客情報のときよりも管理が簡単になり、必要な分析が瞬時に行えてヒューマンエラーの心配がない。また、メール配信やアンケートフォーム作成もツールで行え、配信日時の指定もできるので業務の効率化を図れる。

CRMツールで管理している顧客情報やナレッジを研修に活用し、新しい社員の教育もできるだろう。さらに、営業手法を標準化しやすくなるため、属人化を防げる。

CRMツール導入の課題

CRMツールは便利なものであるが、すべての企業が導入しているわけではない。メリットはさまざまあるが、同じようにデメリットもあり、ネックになってなかなか社内で導入できないケースもある。CRMツールを導入するときのデメリットについても確認しておこう。

様々なコストが発生する

CRMツールを導入するにはコストがかかる。CRMツール自体の価格は、どのような機能が備わっているかによっても変わってくる。便利な機能が多く搭載されたCRMツールは、導入費用も高くなる。また月額制のCRMツールを導入する場合は、毎月のコストがかかる。さらにCRMツールを使いこなせるようになるための社員研修や教育が必要になる場合もあるだろう。

CRMツールを使用する部署内や関係部署が以前から使っているシステムと連携ができない場合は、既存のシステムの取り替えも必要になる場合が出てくる。

ツールを導入する初期費用からランニングコスト、またCRMツールは導入して終わりではなく、正しく利用されるようになって初めて価値を発揮するので、担当者の教育コストや社内啓蒙など、導入後の負担も決して軽いものではない。

自社に合うものがない場合がある

CRMツール導入を検討しても、利用する部署で欲しい機能がないことがある。CRMツールに必要な機能は、企業ごとや部署ごと、取り扱う製品・サービスなどによって異なる。自社に適したCRMツールが見つからなくて導入を断念する企業もあるのだ。

しかしCRMツールの中には、機能をカスタマイズできるものやセミオーダーで新たに自社にあった機能を取り付けられる柔軟性のあるツールもある。自社に必要な機能を備えたCRMツールが見つからないと思う前に、さまざまなメーカーで出しているCRMツールを十分に比較検討する必要がある。

代表的なCRMツール

具体的に各社で出しているCRMツールを紹介しよう。それぞれ機能や料金プランがさまざまあるので、CRMツールの導入を検討しているなら一度チェックしてみるといいだろう。

セールスフォース (株式会社セールスフォース・ジャパン )

セールスフォースは、営業、サービス、マーケティングで必要な情報をカスタマイズして単一のプラットフォームで管理できるツール。ビジネスの業種や職種などに合わせて拡張できるので便利だ。

商談を管理できるSales Cloud 、カスタマーサービス部門や営業部門で得た情報を共有できるService Cloud、中堅企業・中小事業者の マーケティングに適したPardotと部門ごとに適したCRMがある。さらに中堅企業や中小事業者向けの営業、サービス一体型ツールで、セットアップ、使用、メンテナンスが簡単ですぐに使い始められるEssentialsもある。

それぞれデモ版があるので体験してみるといいだろう。

Microsoft Dynamics 365 (マイクロソフト株式会社)

Microsoft社のDynamics365は、クラウド上でCRMを管理できるツール。顧客管理だけではなく、人事や財務の情報も一元管理できる。Office 365と連携しているので、既存のOutlookやExcelの情報を利用できる点も便利だ。自社で必要なアプリケーションを自由に選んでカスタマイズできる。

サーバーの構築や維持管理がいらないので、社内で運用や保守をする必要がない。月額制なので、導入コストを抑えられる。

Sansan (Sansan株式会社)

Sansanは、法人向けクラウド型の名刺管理ツールである。名刺情報を取り込んで管理するだけではなく、付加情報の追加やタグによるグループ分け、名刺情報をもとに組織ツリーの生成もできる。さらに名刺情報のメールアドレスへ、メルマガやDMの一斉配信が行える。部署やチーム、個人単位でアクセス権限の設定ができるので、セキュリティ対策も万全だ。無料トライアルが利用できる。

Zoho CRM (ゾーホージャパン株式会社)

Zoho CRM は、中小企業向けのクラウド型顧客管理だ。顧客管理のほかに見込み顧客の開拓からフォロー、商談、見積もり、受注など営業活動の幅広いサポートをしてくれる。カスタマイズも自由にできる。スタンダードプランなら月額1,440円から利用できるので、コストを抑えてCRMを導入したい企業にもいいだろう。スマートフォンやタブレットにも対応している。

kintone (サイボウズ株式会社)

kintone は、顧客管理、日報、交通費申請、プロジェクト管理、受発注管理など、自社に必要な業務のアプリを入れて使える自由度の高いCRMツールだ。部署別や業種別にテンプレートは100種類以上揃っている。

顧客情報やプロジェクトの進捗状況、売上情報などは、リアルタイムで関連部署と共有できる。業務内容によって関連する部署や社員の情報を整理できるので、必要な人とだけ共有できる点も便利。外部のサービスや基幹システムとも連携できる。

CRMで業務の効率化を

CRMは、企業と顧客との関係性を管理し、良好な関係を維持する施策である。CRMツールを使うと、顧客情報や商談、ビジネスに必要なさまざまな情報を一元管理でき、関係者と共有できる。

CRMツールにはさまざまなものがあるが、カスタマイズができるものも多く自社の業務や製品・サービスにあったものを構築できる商品も多いので、いろいろ比較して使いやすいものを選びたい。”

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