サプライヤーとは?意味や仕事内容、メーカー・ベンダーとの違いを解説

2022.07.29

製造業を中心に、小売業や流通業、IT業界など、さまざまな業界において広く用いられているビジネス用語にサプライヤーという言葉がある。ビジネスシーンではサプライヤーのほかにも、メーカーやベンダー、バイヤーといった多数のカタカナ用語が飛び交っているが、正しい意味や使い方、類語、関連語を理解することで、より適切な取引やコミュニケーションが可能になるだろう。

この記事では、サプライヤーの意味と具体的な仕事内容、近しい言葉であるメーカーやベンダーとの違いを解説する。

サプライヤーとは?意味や業界ごとの定義を解説

ビジネス用語として用いられるサプライヤーの意味に近しく混同しやすい言葉に、「メーカー(maker)」や「ベンダー(vendor)」がある。ビジネスの現場で頻出する言葉でありながら、それぞれが持つ意味合いやニュアンスを正確に把握できていない方もいるだろう。

サプライヤーといっても、基本的な定義はあれど、使われるシーンによってさまざまな解釈ができる。ここではサプライヤーの意味や業界ごとに異なる定義、具体的な役割や仕事内容について解説する。

仕入先、供給元を意味する言葉

サプライヤーとは、英語の仕入れ先、供給元、納入業者を意味する「supplier」をカタカナ語にした言葉だ。ビジネスにおいては製品に必要な部品や資材、原材料、機材などを供給・納入する売り手のことをいう。

もともとは製造業や販売業を中心に使われていた言葉であったが、近年では「モノ」だけではなく、サービスを提供する業者も、サプライヤーと呼ばれている。「supply(供給する)」を語源としたビジネス用語であり、製品の部品やサービスなどを供給する企業や業者、人、国家などがサプライヤーに該当する。

サプライヤーの類義語には、売り手、販売者を意味するセラー(seller)という言葉もあり、バイヤーとは対義語となる。

業界や立場によって定義は異なる

サプライヤーの定義は、業界や立場によって異なる場合が多く、多種多様な意味合いが含まれている。製造業や販売業のほかにも、旅行業界や食品業界、IT業界、貿易業界など、さまざまな業界で用いられている。商売を営むうえで供給先と供給元といった関係が成立する場合は、提供するモノやサービス、業種、業態にかかわらず、多数のサプライヤーが存在する。

小売業者にとってのサプライヤーはメーカーや卸売業者、メーカーでは原材料や部材、機械メーカー、商社、販売・輸入代理店などがサプライヤーとされている。商品が市場に出回る際に、製造元と販売元を繋ぐ役割を持つ。

サプライヤーの代表例として、自動車部品を提供するデンソーやアイシン、豊田自動織機、ジェイテクトなどが挙げられる。

各業界のサプライヤーの仕事内容

各業界によってサプライヤーが持つ役割やニュアンスはさまざまであるため、具体的な仕事内容をイメージするのは難しいだろう。

製造業界においては部品を提供する企業をサプライヤーと呼び、自動車やパソコンのような多数の部品を必要とする業種に関わるサプライヤー数は膨大な数に上る。例えば自動車の製造には約3万個の部品が使われており、それに伴ってサプライヤーの数も、大手メーカーであれば数万社抱えていることになる。

旅行業界では交通手段や宿泊施設といったサービスを提供する運送業者や旅館・ホテル運営会社など、IT業界ではシステムやアプリ開発を担う会社がサプライヤーである。貿易業界では輸出に関わる国内企業、または輸入商品を扱う海外の取引先企業が該当する。食品業界なら原材料を供給する第一次産業や食品加工を行う食品メーカーがサプライヤーにあたる。

サプライヤーとメーカーとの違い

サプライヤーと混同されがちな言葉に、製造業者や製造元を意味するメーカーがある。日本でも誰もが名前を知っている有名企業が多く、メーカー業界の会社が取り扱う製品や資材の分野は多義に渡る。日本のブランドランキングにおいても、トヨタ自動車や本田技研工業、ソニー,日産自動車やといったトップメーカーが上位に名を連ねている。ここではメーカーの意味やサプライヤーとの違いについて詳しく解説する。

製品や商品を製造する企業・業者

メーカー(maker)とは、原材料や部品を用いて製品や商品を製造・開発する企業や業者のことを指す用語である。英語の「maker」は作り手を意味し、特定の業種でのみ用いられており、日本で使われているメーカーという言葉は、工場で大規模な製造・加工を行う製造業者を意味する「マニュファクチュアラー(manufacturer)」の方が意味合いが近い。作るものは企業によって異なり、自動車や鉄鋼、アパレル、食品、日用品など、製品の分野は多種多様である。

材料だけを販売する業者や製品の仲介業者などはメーカーには該当せず、厳密に区分するならば、製造原価を算出する際に含まれる原材料や部品などを製造する企業をサプライヤー、その他をメーカーと分けることが可能だ。

メーカーは製造工程や製品により、素材メーカー、部品メーカー、組立・加工メーカー、総合メーカーなどに分類される。さらに顧客層によって、企業向けの製品を製造する「BtoB」、消費者向けの製品を提供する「BtoC」に分けられる。

メーカーがサプライヤーを兼ねる場合も

メーカーがサプライヤーを兼ねる場合もあるので、立場によってメーカーにもサプライヤーにもなり得る。メーカーに製品を作るために必要な資材を調達するサプライヤーは、原材料を用いて部品などを製造するメーカーのこともあり、製品を製造するメーカーが小売業者に直接納品する場合は、メーカーもサプライヤーとなるわけだ。

メーカーの特徴を端的にいえば、製品の開発・製造を行う会社であること、または開発・製造するメーカーが、部品や製品を提供するサプライヤーを兼ねることもある点を押さえておこう。

サプライヤーとベンダーとの違い

メーカーとともに、サプライヤーに近しい言葉にベンダーがある。ビジネスシーンではサプライヤーやメーカー、ベンダーといった用語は頻繁に使われることが多く、特にIT業界の現場では、ベンダーという言葉を何度も見聞きする機会があるだろう。

日本国内ITベンダーの代表的な企業として富士通や日立製作所、NTTデータ、NECなど、ネットワークベンダーはヤマハやバッファロー、フォーティネットなど、クラウドベンダーはGoogleやAzure、AWSなどが挙げられる。

ベンダーは日本でも一般化し、定着しつつある言葉であるため、正しい意味や使い方、サプライヤーとの違いをしっかり押さえておきたいところだ。”

仕入れた商品を消費者に販売する企業・業者

ベンダーとは、英語で「vendor」と表記し、仕入れた商品を消費者に直接販売する企業・業者のことをいう。販売業者や売り主(売り手)、行商人を指し、販売する、売るを意味する「vend」からなる言葉であり、サプライヤーと同様に、業界や分野によって異なる意味で使われることがある。IT業界以外の業界では、消費者に向けて商品を提供するのがベンダー、企業に対して商品や原材料などを提供するのがサプライヤーと理解しておいて間違いないだろう。

家電や日用品、衣類などを消費者に販売する店舗もベンダーの一種であり、広義の意味合いを持つ。飲料業界における自動販売機の設置・運営を行う会社のこともベンダーやベンダー企業といい、ベンダーは「ベンダ」と呼ばれることもある。

もともとIT業界で用いられていた用語

ベンダーはもともとIT業界で用いられていた言葉だ。他業界で用いられているベンダーと同じように、基本的にコンピューターやソフトウェア、ネットワーク機器などのIT製品・サービスを消費者、ユーザーに届ける販売会社のことを指す。ただIT業界では、メーカーとベンダーのどちらの役割も担う企業が多いことから、他と比較して両者の違いは明確ではない。

IT機器を製造する大手の電機メーカーなどは、ITベンダー企業に分類される。ITベンダー企業には、ソフトウェアの販売を行う「ソフトウェア・ベンダー」とPCやサーバーといったハードウェアを扱う「ハードウェア・ベンダー」、パッケージ化したシステムを提供する「システム・ベンダー」などがある。他にも、販売とともに、開発を行う会社を「開発ベンダー」、単一メーカーの製品だけ扱う「シングルベンダー」、複数のメーカーの製品を扱う「マルチベンダー」などともいう。

バイヤー、ディストリビューターもサプライヤーの対義語

サプライヤーの反対の意味にあたる対義語として用いられる言葉には、「バイヤー(buyer)」や「ディストリビューター(distributor)」などが挙げられる。

バイヤーは売り手のサプライヤーに対し、買い手、買い付け業者を意味する用語で、企業内においてはさまざまな商品やサービスの買い付けを行う人、仕入れ担当者を指す。バイヤーや対義語であるセラーは、企業である必要はなく、個人のバイヤーもいる。アパレル業界や小売業界、流通業界、製造業などで耳にすることの多い言葉であり、サプライヤーやメーカーも、部品や原材料を購入するが、調達したものを加工して販売する点で異なる。

ディストリビューターは、分配を意味する「distribute」を語源とし、もともとは配給者や卸売業者、分配者といった意味を持つが、直接消費者に販売することはなく、中間業者としての役割を担う。販売の代行だけではなく、製品を自社で購入して再販する問屋や代理店、商社などがディストリビューターと定義づけられている。ほかにも、ディストリビューターには、電気の分配器、配電器といった意味もある。

サプライヤーの意味・意義を適切に理解しよう

サプライヤーを使い分ける基準は、業界や業種、会社によっても異なる場合や曖昧なことがあり、明確に定義づけることは難しい。そのためサプライヤーや混同されがちなメーカー、ベンダーといった用語の本来の意味・意義を正しく理解したうえで、具体的に何を指しているのかきちんと判断して使う必要があるだろう。

商談や取引で用いられることが多いビジネス用語は、意味を間違って使ってしまうと、円滑なコミュニケーションができなくなる可能性もある。いらぬ誤解や問題を招かないためにも、適切な使い方を身に着けよう。”

お役立ち資料データ

  • 最悪の年末調整を最高にする方法

    【PR】株式会社エフアンドエム 「紙での年末調整は時間も手間もかかりすぎる……」 「でも電子化は上司の理解が得られない……」「 従業員の反発も大きそう……」 と悩みを抱える人事・労務担当者の方も多いはずです。 このeBookでは、年末調整を電子化すると、具体的にどれほどの時間や工数が削減されるのか、 従業員や人事・労務担当者の双方の負担が少ない状態で導入するには何が必要なのかを、 「オフィスステーション 年末調整」を例にマンガでわかりやすく解説しています。

  • 大手企業はいかにして 2021年年末調整を成功させたか?

    【PR】株式会社エフアンドエム 従業員数千名~数万名規模の大手企業5社にインタビューをおこないました。 年末調整システムの導入から、導入後の運用まで、 どのような取り組みをおこなったのかをご紹介していきます。 「小売業」「飲食業」「鉄道」「教育機関」と、多種多様な業種を参考にすることで、 それぞれの業界の特性や、注意すべき点が具体的に理解できる内容となっています。 資料でこんなことがわかります 01.年末調整電子化を考えるようになったきっかけ 02.年末調整クラウドソフトの導入スケジュール 03.年末調整クラウドソフトを導入する上で大変だったこと 04.年末調整クラウドソフトを導入してわかった…

  • Googleマップ対策で集客向上!有名企業8社の成功事例集!

    【PR】株式会社カンリー 「PRONTO」「パリミキ」「てもみん」など、飲食・小売・サービス業における有名店舗も実施!Googleマップの店舗情報を一括管理することで、店舗集客の向上や業務効率化に繋がった事例を8社分ご紹介。 「Canly(カンリー)」は2万店舗以上でご利用いただいている、Googleマップ・SNS・HPの一括管理サービスです。複数店舗を運営する企業様に集客向上・業務効率化を目的としてご活用いただいています。本資料では、Canlyを活用し成果の出た企業様の事例をご紹介します。 ▶︎掲載している企業 【飲食業】 ・ニラックス様(すかいらーくグループで70店舗運営) …