スーパーマーケットのプロモーションが急速に進化~「くふう.トクバイ全国スーパーマーケットおいしいもの総選挙2025」ベストプロモーション賞発表

2025.11.26

スーパーマーケットのプロモーションはいま、大きな進化を遂げている。くふうカンパニーグループにおいて、チラシ・買い物情報サービス「くふう.トクバイ」を運営する株式会社くふうカンパニーは2025年11月13日、「くふう.トクバイ全国スーパーマーケットおいしいもの総選挙2025」の結果を発表。

生活者からの投票で選ばれた受賞商品にはまさに各社選りすぐりの自慢の商品が勢ぞろいしたが、併せて発表された特別賞の「ベストプロモーション賞」受賞企業の取り組みからは、現代のスーパーマーケットにおけるプロモーションの進化を実感することができる。

第一に、大きな流れとしてソーシャルネットワーキングサービス(SNS)などインターネットを通じた現代のコミュニケーションを駆使していること。特にInstagramやX、さらにyoutubeといった動画も含むSNSは、特に若年層における腫瘍な情報収集の手段の1つになっているといえる。

ただし、ここで重要なことは、決してSNSなどの「空中戦だけに」とどまっていないということだ。リアル店舗を持つ小売業として、クラシックな手法であると同時に、まさに購買が起こる場所だからこそ最も効果的な店頭でのプロモーション、つまり「地上戦」もしっかりと実践されていることを強調したい。

基本的に受賞企業は、この2つをうまく組み合わせることで、商品の認知から購買に渡るまでの一連のプロセスをうまく実現できている。

例えば、株式会社ノムラストアーはSNSに加え、店頭では大試食会、投票を促進する活動を実践するなどまさに認知から購買までをうまくつなげる展開ができているが、さらに選挙カーを意識した実際の車まで用意してしまうなど、その発想力と熱意が光った。

特に店頭での力の入ったプロモーションは、その熱意が伝わってくるもので、多くの生活者にとって改めてその店、商品に関心を持つきっかけになったことだろう。

株式会社ノムラストアーでは選挙カーを模した演出で、強くアピール
株式会社ノムラストアーの店頭の取り組み。熱意が伝わってくる

株式会社サカツコーポレーションは、その意味で「店頭に徹底的にこだわったプロモーション」で存在感を発揮している。もちろん、SNSを始めとしたオンラインのプロモーションを全く活用しないということではなく、SNSで来店のきっかけを作り、実際に店頭に来てみると、すぐに該当商品が分かり、そして思わず手に取ってみたくなるような売場づくりが実践されているという流れになっている。

また、各店ごと展開スペースには違いがあるが、プロモーションとしての共通項は維持しつつ、それぞれのスペースに沿った形での展開となっているなど、店舗での調整力も目を引いた。

株式会社サカツコーポレーションの店頭プロモーション。非常に目立つと同時に、気軽に手に取れる陳列になっている
株式会社サカツのSNS活用。シンプルではあるが、しっかりと空中戦も組み合わせている

株式会社マルイもSNSを活用しつつも、店頭での大試食会、温かみのある手書きPOPを組み合わせることで、売場というリアルの現場を持つ「小売業ならでは」の取り組みになっている点が目を引いた。

「食」を取り扱っているからこそ、実際に食べてみることが最も重要で、効果のあるプロモーションであることは間違いない。五感を使って実際に商品を試してもらうことで、しっかりと価値を伝えることができる。また、手書きPOPについても、デジタルが全盛の時代に人間味あふれるコミュニケーションツールとして効果を発揮し、親しみが持てるものになっている。

デジタル技術を活用しつつも、こうした小売業ならではの要素を最大限活用することで、注目度が一気に増すことを実感することができた。

株式会社マルイでは大試食を実施。売場を持つ小売業だからこそできる、食品にとって最も効果的なイベントだ
株式会社マルイの手書きのPOPからは温かみが感じられる

一方で、SNSを高いレベルで活用することで大きな盛り上がりを作り出した点が光ったのは株式会社SMATだ。動画を効果的に活用することで発信するコンテンツをエンターテインメントにまで昇華させ、さらに地元のインフルエンサーも巻き込みながらイベントを盛り上げた。

同社が展開するYouTubeを始めとした動画には社長、副社長などが自ら出演することで、親しみやすさと楽しさを打ち出しているが、さらに今回は県内のインフルエンサーに試食をしてもらうなどコラボレーションを実施。SNS上の総裁整数が31万回に達するなど情報発信力がさらに高まり、イベントの盛り上げにも大きく貢献した。

株式会社SMATの取り組みは、「単独スーパーマーケットであってもここまでできる」という大きな可能性を感じさせる。

株式会社SMATでは自前で展開するSNSの動画を活用。地元インフルエンサーに試食をしてもらうなど情報発信力をさらに高めた
株式会社SMATの店頭。SNSで情報発信しつつ、売場では該当の商品をしっかりアピールすることも重要

SNSを含む多様な媒体から来店につなげ、店頭での試食までうまく連携させるなど、そのストーリーの設計が光ったのが株式会社スーパーアルプスだ。まずは空中戦を駆使することでより多くの接点を作り出し、情報を伝えることで興味を持ってもらい来店を促す。

そして実際に来店したときには、実際に商品を試食することでその価値をしっかりと伝えることができる。結果として、イベントとしての盛り上がりを作り出すことができるというわけだ。需要の喚起にもつながるこうしたストーリー設計は、小売業として非常に重要な取り組みだといえる。

株式会社スーパーアルプスのSNS動画の1コマ。さまざまな媒体を通じて商品をアピールし、来店につなげた
株式会社スーパーアルプスの試食。さまざまな媒体で来店のきっかけを作り、売場では試食でしっかりと商品の価値を伝える。その流れをいかに作り出すかが重要になる

現代のスーパーマーケットにとっては、やはりSNSは大きな武器になることは確かだろう。その上で、そこで得た認知をいかに来店につなげ、さらに実際に来店したときに現物がある店頭という利点を最大限に生かす展開ができるかどうかが重要になる。特に食品における試食は、店頭だからこそできる体験であることから非常に有効なものであるといえる。

さらに重要なことは空中戦と地上戦の連携、あるいはそのストーリーを一貫して主体的に設計できるのは、まさにリアル店舗を持つ小売業だけができることである。まさにそれが小売業だけが持つアドバンテージであり、その意味では小売業のプロモーションはSNSなどが台頭してきた現代にこそ、店頭との相乗効果を発揮しながらより有効なものとなるはずだ。

今回のベストプロモーションの受賞企業の取り組みからは、そうした大きな可能性を感じることができる。「くふう.トクバイ全国スーパーマーケットおいしいもの総選挙2025」の主催者、株式会社くふうカンパニーのサービスである「くふう.トクバイ」も、空中戦の武器の1つとして大いに活用を期待したい。

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