城取博幸

城取フードサービス研究所代表。大学卒業後、大手外食企業に就職。退社後スーパーマーケットにてバイヤー、店長を経験。「ミールソリューション」「ホームミール・レプレイスメント」に興味を持ち、その後独立。チルド商品、惣菜のコンサルタントとして、スーパーマーケット、食品メーカーのミールソリューション、商品開発の指導、セミナーを行う他、国内外の食品小売業、生鮮市場、レストラン、食品メーカーを数多く視察、研究。国内外のスーパーマーケットを紹介したブログ、ホームページの「スーパーマーケット見聞録」は多くのアクセスがある。

  • 2024.07.31

    カスミBLΛNDEの挑戦、こう見る! 惣菜編 おもしろい、楽しい売場、商品、温度帯別の品揃えが実現

    BLΛNDE(ブランデ)は「人、食、生活、文化」が商品、サービスを通じて交じり合う新たなスーパーマーケット(SM)を目指している。ブランデ三郷店は「つくば並木店」「研究学園店」に続く3店目となる。新たな取り組みとして「DELY BREAD」や「WINE&BAR」などを新設した。 おもしろい、楽しい売場、商品に人は集まる グローバル見本市ネットワークのSIALによる「日本におけるイノベーションの軸とトレンド(2022年、23年比較)」調査データによると、「Pleasure(楽しみ、喜び)41.7%⇒60.5%」「Health(健康)29.1%⇒18.6%」「Physical(身体的)14…

  • 2024.07.10

    ダイエーの「冷凍dai革命」をイオンフードスタイル向ヶ丘店、鴨居店で体験、惣菜の4温度帯の品揃えの可能性を考える

    ダイエーが商品を冷凍化した上で販売する「冷凍dai革命」と銘打つ取り組みを始め、話題になっている。今回、首都圏での初導入となった同社が展開するイオンフードスタイル向ヶ丘店(川崎市多摩区)、およびイオンフードスタイル鴨居店(横浜市緑区)で実際に商品を購入し、実食してみた。 冷凍dai革命は、店のバックヤードに急速冷凍機を導入して独自の冷凍品を製造、販売する取り組み。売場を見ると生鮮各部門と惣菜売場でそれらの商品がコーナー展開されている。 まず、向ヶ丘店。青果では多段エンドでカットフルーツの盛り合わせや単品の冷凍フルーツを販売。冷凍フルーツはスムージーやデザートなどの材料として便利に使える。 鮮魚…

  • 2024.07.09

    【盆商戦】対策2024 惣菜編 地元の食材を使った精進料理とおもてなし料理、単品を組み合わせるだけで提案の幅は広がる

    8月の旧盆の帰省客や訪問客に郷土料理の精進料理とおもてなし料理を提案したい。精進料理は植物性タンパク質だけの厳格なものでなく、肉料理は使わないものの、エビ天など魚介料理を使う「ペスクタリアン(植物性タンパク質+魚介類のタンパク質)」メニューを提案。おもてなし料理は地元の食材を使った郷土料理を提案する。                         …

  • 2024.07.02

    PB強化型まいばすけっと、こう見る! 即食編 末尾9のシンプルなプライスラインのオリジナル商品が充実、買い得感は見るべき

    まいばすけっと仲町台駅南店の新しい取り組みはイオングループのプライベートブランド(PB)商品のトップバリュを従来の約20%から約50%にまで拡大したこと。売場面積は通常店舗の約1.5倍の約84坪に拡大。約3300アイテムを品揃えしている。 まいばすけっとの惣菜の特徴は、「米飯、惣菜をコンビニより安く売る」ことだと思っている。コンビニと同様、アウトパック商品であるが価格は圧倒的に安い。さらに惣菜ではPBではないものの、オリジナル商品を多数展開している。 都市部の小型店といえば、ヨーロッパの街中を中心にエクスプレスストア、ハードディスカウントストアが存在することが想起される。 その点、まいばすけっ…

  • 2024.07.01

    SIPストア、こう見る! 即食編 圧倒的価格優位のオーケーに対し、時間帯の広さ、ピザのバイオーダー、再加熱など出来たてで勝負

    新京成電鉄常盤平駅近くに道を挟んでSIPストアであるセブン-イレブン松戸常盤平駅前店とオーケーがある。 近隣に住む消費者がいかに便利に業態違いのコンビニとスーパーマーケット(SM)を利用するか。店がいかに地域に貢献するかで評価が決まる。 SIPストアは、SMゾーンとコンビニゾーンを分けてゾーン二ングしていることが特徴。 コンビニゾーンでは、米飯、惣菜、パン、飲料、アイスクリームを近くにゾーンニングしている。既存店は冷蔵惣菜の前に冷凍食品とアイスクリームをレイアウトしていることが多いが、この店は、冷凍食品についてはSMゾーンのリーチンケースに、惣菜と切り離して陳列している。 オーケーの営業時間は…

  • 2024.04.25

    GW直前! この提案は実施したい!! 惣菜編 品目別、日別の動向を生産計画に生かす

    今年のゴールデンウィーク(GW)前半は4月27日(土)、後半は5月3日(金)~6日(月)の4日間。中日は30日(火)~5月2日(木)。連続休暇を取れば10連休となる。 昨年の日別販売数量、値引き数量、廃棄数量、最近の動向も考慮に入れてむだのない販売計画と製造計画を立てる。「売れる日」「売れない日」のめりはりを付けて販売する。 2023年のGWの加工商品と外食の日別動向(総務省の「家計調査」の日別動向)では、まず5月全体の消費動向では食料品計は105.7%。外食、給食を除く食費は104.2%の増。外食、給食は113.5%の増であった。 最近は日配部門と惣菜部門の売上げが好調。生鮮素材よりも加工食…

  • 2023.05.08

    アップサイクルの広がりが意味するもの、先進企業オイシックスの狙いとは?

    オイシックス・ラ・大地が「アップサイクル」型の商品開発を積極化している。最近では同商品を開発、販売するフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」で、プロントコーポレーションと共同開発した商品「コーヒーから生まれた 黒糖あられ」「コーヒーから生まれた チョコあられ」を発売。 コーヒーは多くの人が日常的に楽しんでいる飲料だが、家庭でコーヒーを抽出した後はコーヒーの豆かす(コーヒーグラウンズ)は、生ごみとして処理されているのが現状だ。 プロントにおいてもコーヒーグラウンズの廃棄には課題を抱えており、Upcycle by Oisixと取り組むことで家庭ごみの削減、外食産業の課題解決の…

  • 2023.02.13

    オイシックスはなぜ、「アップサイクル」に取り組むのか? 取り組めるのか?

    食品のサブスクリプションサービス(サブスク)を提供するオイシックス・ラ・大地(オイシックス)は、チョーヤ梅酒と共同開発した新商品「梅酒から生まれたしっとりドライフルーツ」を1月26日から販売開始した。 梅との新しい出会いを提案する「The CHOYA銀座BAR」でこの商品を使った「梅づくし」のアフタヌーンティーメニューを期間限定で展開した。 チョーヤ梅酒は紀州産を中心に国産梅を100%使用、生産者と共に土づくりから取り組み、熟度を高く、香り豊かな梅を厳選して梅酒にしている。梅酒に漬けたあとの梅は製品に入れたり、そのまま販売しているが、製品化できなかった余剰の梅は、家畜の飼料や畑の肥料となってい…

  • 2022.11.21

    ケンタッキーはなぜ、「バーガー」にこだわったのか? 小売り、外食の「バーガーバトル」が始まっている

    いま、バーガーに注目が集まっている。多くのスーパーマーケット企業がバーガーの商品化に踏み込み、外食もその価値を改めて見直している。 総務省家計調査年報(2人以上世帯)を見ると、2020年からは「ハンバーバーガー(外食)」が「おにぎり」の消費支出を上回るようになった。それはコロナ禍で外食が苦戦する中、バーガーチェーンが「席を間引きしたイートイン」「テイクアウト」「デリバリー」「ドライブスルー」など4つの武器で戦った結果だともいえる。 さらにバーガーはファストフード業態だけでなく、レストラン、スーパーマーケット(SM)、コンビニ(調理パン)でも販売されるようになるなど、ある種ブームのような形となっ…

  • 2022.04.25

    セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店のミールソリューション「6つ」のポイント

    セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店の売場面積は1765㎡(535坪)、売上目標は42億円(2年目)である。1km圏内に単身世帯58.5%、2人世帯比率は22.5%と81%が2人以下である。 オフイスや恵比寿駅にも近いため昼食需要も望める立地だ。実際に買物をしながらレイアウト、品揃えの狙いを確認してみた ミールソリューション的「6ポイント」 ①ミールソリューションの考え方 2人以下の世帯81%、1km圏内に約9万人のオフィスワーカーが働く商圏であることから、昼食や夕食に対応するために即食系商品が強化されている。野菜、果物売場では壁面に沿ってカットフルーツ、カット野菜、生野菜サラダを強化。…

  • 2022.03.20

    消費の伸びるコロッケ、ハンバーグ、サラダに加え、初夏に向けた商品に注力 |惣菜編・2022年5月 「これは押さえたい」重点商品と売場展開

    日本フードサービス専門学院学院長 林 廣美城取フードサービス研究所 城取博幸 2021年5月の家計調査前年比は、調理食品105.9%、弁当97.5%、寿司105.3%、おにぎり114.5%、調理パン117.5%、スナック類103.2%、うなぎかば焼き105.0%、サラダ117.4%、コロッケ108.3%、カツレツ97.7%、天ぷら、フライ97.7%、シューマイ101.2%、ギョーザ96.8%、焼き鳥97.3%、ハンバーグ118.5%、惣菜セット89.5%、外食137.8%であった。 20年に大きく消費を落としたおにぎり、調理パン、サラダの消費が好調であったのに対し、カツレツ、天ぷら、フライが不…

  • 2022.03.19

    フーコット昭島店の「即食商品」の研究

    生鮮3品はバックヤードを持たず自社センターの商品で対応していることが特徴だ。バックヤードを持たないことでそのスペースを売場に活用できる。 店に入ればバナナの大量陳列が目に入る。カットフルーツは品揃えされていない。鮮魚コーナーでは「ウエット感」を出すため氷に入った丸魚のばら売りはあるが、刺身の盛り合わせはない。精肉コーナーではコストコを思わせるような大型パックも品揃え。 1号店の飯能店との大きな違いは、飯能店は惣菜売場が奥にあったのに対し、昭島店は惣菜売場を主通路最後に移動した点だ。 また、飯能店で主通路最後にあった酒売場はレジ前に変更され、そのスペースには惣菜の他、パン、卵、こんにゃく、豆乳な…

  • 2022.03.01

    需要が伸びる豆腐、中華麺、納豆、パン、チーズ、ケーキ | 日配編・2022年5月 「これは押さえたい」重点商品と売場展開

    5月のイベントは、ゴールデンウィーク(休みを取れば4月29日~5月8日まで10連休)、メーデー(5月1日)、憲法記念日(5月3日)、みどりの日(5月4日)、こどもの日(5月5日)、母の日(5月8日)と月前半にイベントが集中するため、売り逃しがないようにしたい。月後半は節約ムードが高まるため基礎食品を中心に販売する。 5月に需要が伸びるカテゴリーは、生うどん、そば、中華麺、ちくわ、卵、豆腐、納豆、梅干し、他の漬物、パン、調理パン、チーズ、マーガリン、ケーキ、ゼリー、プリン、和洋生菓子、アイスクリーム、ギョーザ、コーヒー飲料、果物、野菜ジュース。 5月に需要が減るカテゴリーは、揚げかまぼこ、魚介つ…

  • 2021.10.05

    ロピアとコストコ、尼崎の共存に「多くのお客でにぎわう店」の理由を探る

    ロピア、コストコは「低価格+オリジナル商品」が基本 尼崎にはコストコとカルフールを引き継いだイオンの総合スーパー(GMS)、昨年10月にオープンしたロピアが隣接して出店している。 ロピアのオープンから9カ月ほど経過した同エリアに訪れてみた。ロピアは肉が強いだけでなく価格も安い。常に安い価格で販売している印象だ。 売場で注目した商品に子会社である利恵産業の冷凍レディミールがある。冷凍平ケース2本を使い、ファミリー向け冷凍レディミールを約10種類販売していた。2、3人前の容量で価格は980円~と安く設定している。包装形態は耐熱トレーに料理を盛り付け冷凍、その上に写真付きの紙包装を行うことで高級感を…

  • 2021.08.09

    フーコット1号店がオープン、ヤオコーが子会社を通じて手掛けるディスカウントの姿とは?

    ヤオコーが今年2月1日に子会社として設立したディスカウント事業の「フーコット」がついにその店舗をオープンした。8月3日、1号店として埼玉県飯能市に飯能店をオープン。ネイバーフッドショッピングセンターの核店のスーパーマーケット(SM)跡地に居抜き出店し、核店としての機能を果たす。 ヤオコーは2017年に神奈川県を地盤とし、食品ディスカウントストアを展開するエイヴイを子会社化、それぞれが事業展開しつつ、ヤオコーへの一部ディスカウントのノウハウの取り込みを図ってきたが、今年2月、子会社としてフーコットを設立。埼玉県など自社ドミナントエリアにディスカウント事業を別会社で展開する方針を打ち出した。 エイ…

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